味の素とサントリーは「アミノ酸技術のグローバル」か「やってみなはれの挑戦」か
食品業界で就活人気トップクラスの味の素とサントリー。アミノ酸技術を核に調味料・電子材料・ヘルスケアまで展開する技術系の味の素、「やってみなはれ」の挑戦文化で飲料・酒類を展開するサントリーという対比が基本です。どちらも難関の人気企業です。本記事では、有価証券報告書・厚生労働省の公表データ・当サイトの就職偏差値をもとに5軸で比較します。
就職難易度・偏差値の比較
両社とも食品トップクラスの人気・難関です。食品は採用数が少なく、高倍率になりやすい業界です。
| 項目 | 味の素 | サントリー |
|---|---|---|
| 就職偏差値 | 64 | 63 |
| 就活人気 | 非常に高い | トップクラス |
| 就活判定(大学群の4〜6段目) | 対策次第 | 対策次第 |
※就職偏差値は当サイトのデータ(公開情報をもとにした目安)。判定は当サイトの就活判定(経験の加点なし)で、1〜3段目は2社とも「十分射程」でした。食品は採用数が少なく高倍率です。
年収の比較
両社とも食品業界では高水準です。サントリー(持株会社)はやや高めですが、比べる相手の性格が違う点に注意が必要です。
| 項目 | 味の素 | サントリーホールディングス |
|---|---|---|
| 平均年収(有報・単体) | 1,061.3万円(2026年3月期) | 1,176.2万円(2025年12月期) |
| 平均年齢 | 43.5歳 | 43.7歳 |
| 平均勤続年数 | 18.9年 | 17.7年 |
| 従業員(単体) | 3,705人 | 1,557人 |
※各社の有価証券報告書(金融庁 EDINET)。サントリーホールディングスは非上場ですが有価証券報告書を提出しています。
サントリーホールディングスは、グループの戦略やコーポレート機能を担う持株会社で、単体の社員は1,557人です。飲料・酒類の現場で働く社員の多くはグループの事業会社にいるので、1,176.2万円はグループ全体の平均とは違う数字だと考えておくのが正確です。味の素は事業会社そのものの数字で、3,705人の平均が1,061.3万円です。平均年齢はほぼ同じなので、年齢構成の違いは小さいと言えます。
同じように、飲料・食品の大手は持株会社の有価証券報告書が多く、アサヒグループホールディングスは単体328人で1,335.2万円、キリンホールディングスは単体1,124人で998.6万円です(いずれも2025年12月期)。事業会社の社員の給与と同じではないので、業界の中で比べるときも「どの会社の数字か」をそろえて読むのが大切です。
有価証券報告書で見る4年の歩み
| 項目(連結) | 味の素 | サントリーHD |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆1,494億円→1兆5,837億円 | 2兆2,857億円→3兆701億円 |
| 純利益 | 757億円→1,347億円 | 1,140億円→866億円 |
| ROE | 11.6%→17.7% | 7.3%→2.9% |
| 連結従業員 | 34,198人→34,787人 | 40,275人→41,628人 |
※各社の有価証券報告書(IFRS)。味の素は2022年3月期→2026年3月期、サントリーHDは2021年12月期→2025年12月期。
売上はどちらも4年で1.3倍台に伸びています。違いが出たのは利益で、味の素は2026年3月期に純利益が1,347億円とこの5年で最も高く、ROEも17.7%まで上がりました。サントリーHDは2024年12月期まで純利益が増えていましたが、2025年12月期は866億円と前の期(1,762億円)の半分ほどでした。1年の数字だけで判断せず、説明会や決算資料で背景を確かめておくのがおすすめです。味の素は研究開発費321億円・設備投資1,032億円も開示していて、本文でふれた電子材料などの技術系の事業にお金をかけていることが分かります。
働き方の公表値と、業界の統計
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、味の素の月平均の残業時間は10.1時間(法定外の残業時間)と公表されています(2026年10月16日更新のデータを加工)。製造業でフルタイムで働く人の平均は月14.7時間(毎月勤労統計調査・2025年)なので、それより短い数字です。
大卒で就職した人の3年以内の離職率は、食料品製造業が33.6%、飲料・たばこ・飼料製造業が24.0%でした(厚生労働省・2022年3月卒)。同じ「食品」でも、飲料の側は辞める人がかなり少ない業種です。当サイトの就活判定では、食品・消費財は技術系の補正の対象ではないため、研究職を志望する理系の人でも文系と同じ判定になります。研究職を考えるなら、判定より専攻と研究テーマの近さを先に確かめておくと安心です。
事業・社風と働き方
味の素はアミノ酸技術を核に、調味料・冷凍食品・電子材料(半導体ABF)・ヘルスケアまで多角展開する技術系グローバル企業。サントリーは「やってみなはれ」の挑戦文化で、飲料・酒類・健康食品を展開する非上場のオーナー系企業です。社風は味の素が「技術・論理・グローバル」、サントリーが「挑戦・自由・情熱」と対照的です。
| 項目 | 味の素 | サントリー |
|---|---|---|
| 強み | アミノ酸技術・電子材料・多角化 | ブランド・飲料/酒類・挑戦文化 |
| 社風 | 技術・論理・グローバル | やってみなはれ・自由・情熱 |
| 事業の幅 | 食品〜半導体材料〜ヘルスケア | 飲料・酒類・健康食品 |
| 向く人 | 技術×グローバル×多角 | 挑戦×ブランド×情熱 |
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 技術×グローバル×多角化 | 味の素 |
| 挑戦文化×ブランド×情熱 | サントリー |
| 半導体材料など先端領域も | 味の素 |
| 飲料・酒類で挑戦したい | サントリー |
結論として、技術・グローバル・多角の味の素、挑戦文化・ブランドのサントリーが選び方の軸です。人気食品は採用数が少なく高倍率。難関を突破するなら、逆求人PRサイトで自分の市場価値を測り、早期に選考対策PRを進めるのが有効です。食品3社比較は味の素・キッコーマン・サントリーの比較、メーカー全体はメーカー業界ランキングもご覧ください。
この記事のデータの出典
- 味の素・サントリーホールディングスの有価証券報告書(金融庁 EDINET)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
- 当サイトの就職偏差値データ・就活判定(/tools/hantei)

