看護師の転職は「動機の整理」と「職場タイプ選び」で決まる
看護師PRは求人の多い職種です。厚生労働省「一般職業紹介状況」の2025年12月の数字(常用・パート含む)では、「保健師,助産師,看護師」の有効求人は9万7,894人、有効求職者は4万2,387人で、有効求人倍率は2.31倍(有効求人÷有効求職で当サイトが計算)と、職業全体の1.17倍の2倍近くでした。一方で「とりあえず辞めたい」で動くと、同じ不満を別の職場でも繰り返しがちです。本記事では、転職理由の整理、職場タイプ別の働き方の比較、年収の全国平均、失敗しない進め方の5ステップ、エージェントの選び方までを2026年の公開情報をもとに整理します。年収・残業の数字は、厚生労働省の統計の公表値と、そこから当サイトが計算した値です。
職場タイプ別の特徴を比較する
看護師の働き方は職場タイプで大きく変わります。国の統計には看護師の年収を職場のタイプ別に分けた数字がないため、ここでは夜勤やオンコールの形と、向いている人を整理します。
| 職場タイプ | 夜勤・オンコール | 向いている人 |
|---|---|---|
| 大学病院・急性期 | 交代制の夜勤あり | スキルを磨きたい人 |
| 一般総合病院 | 交代制の夜勤あり | 幅広い経験を積みたい人 |
| クリニック・診療所 | 日勤が中心(有床の診療所は夜勤あり) | 家庭と両立したい人 |
| 訪問看護 | 日勤が中心で、オンコール当番がある事業所もある | 1対1の看護をしたい人 |
| 介護施設・老健 | 施設によって夜勤・オンコールの形が違う | 長期的に関わりたい人 |
※職場タイプごとの一般的な違いを編集部で整理したものです。実際の夜勤の回数やオンコールの頻度は、施設ごとに必ず確認してください。
看護師の年収相場と上げ方
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)によると、看護師(推計90万3,060人)の全国平均年収は524.7万円です(平均年齢42.1歳・平均勤続9.8年)。令和7年6月分の「きまって支給する現金給与額」を12倍し、令和6年の1年間の賞与などを足した金額で、残業代や深夜手当などの割増賃金を含みます。職業情報サイト job tag の賃金(年収)と同じ調査・同じ計算です。同じ調査の准看護師は427.5万円(平均年齢51.8歳)でした。
年齢別の年収
| 年齢 | 年収 | 推計人数 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 440.1万円 | 9万9,640人 |
| 25〜29歳 | 501.5万円 | 12万3,620人 |
| 30〜34歳 | 490.5万円 | 8万7,170人 |
| 35〜39歳 | 518.9万円 | 8万6,610人 |
| 40〜44歳 | 548.4万円 | 9万4,670人 |
| 45〜49歳 | 561.2万円 | 12万9,640人 |
| 50〜54歳 | 577.7万円 | 12万3,070人 |
| 55〜59歳 | 573.5万円 | 8万8,040人 |
| 60〜64歳 | 502.9万円 | 5万3,840人 |
| 65〜69歳 | 424.1万円 | 1万2,630人 |
| 70歳〜 | 386.7万円 | 4,130人 |
※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第5表(職種(小分類)、年齢階級別)から当サイトが計算(確認日2026年10月22日)。年収は「きまって支給する現金給与額(6月分)×12+年間賞与その他特別給与額」で、全国・企業規模10人以上・男女計の平均です。残業代や深夜手当などの割増賃金を含みます。推計人数が1,000人に満たない年齢階級は載せていません。
会社の規模別の年収
| 会社の規模 | 年収 | 推計人数 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 569.9万円 | 34万1,690人 |
| 100〜999人 | 506.3万円 | 42万2,520人 |
| 10〜99人 | 469.8万円 | 13万8,850人 |
※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第1表(職種(小分類)、性別。企業規模別の列)から当サイトが計算(確認日2026年10月22日)。年収は「きまって支給する現金給与額(6月分)×12+年間賞与その他特別給与額」で、全国・企業規模10人以上・男女計の平均です。残業代や深夜手当などの割増賃金を含みます。
大きな会社・法人ほど高く出ています。男女別では男性が552.0万円、女性が521.1万円で、差は30.9万円です。推計の労働者数で見ると、看護師の88.4%が女性です。年齢・勤続年数・勤務時間の違いも含んだ平均なので、同じ条件で比べた差ではありません。
働き方を国の統計で見る
看護師の多くが働く「医療,福祉」の業種全体では、フルタイムで働く人の月の残業(所定外労働時間)は6.7時間で、全産業の13.2時間の半分ほどです(毎月勤労統計調査・2025年)。有給休暇の取得率は68.4%で、全産業の66.9%をやや上回ります(令和7年就労条件総合調査)。一方で、大卒で就職した人の3年以内の離職率は40.8%と、全体の33.8%より高い業種です(2022年3月卒)。残業時間の統計には交代制の夜勤そのものの負担は表れないので、夜勤の回数と、夜勤明けの休みの取り方は別に確認しましょう。
夜勤の負担を見る目安(日本看護協会のガイドライン)
日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(2013年2月)は、勤務の組み方の基準として次の点を挙げています。応募先の勤務表がこの基準に近いかどうかは、夜勤の負担を比べる手がかりになります。
- 勤務と勤務の間隔は11時間以上あける
- 勤務の拘束時間は13時間以内とする
- 夜勤回数は、3交代制勤務は月8回以内を基本とし、それ以外の交代制勤務は労働時間などに応じた回数とする
- 夜勤の連続回数は2連続(2回)までとする
転職を成功させる5ステップ
勢いで退職せず、在職中に準備を進めるのが鉄則です。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 不満の言語化 | 給与・人間関係・夜勤など本当の理由を整理 |
| 2. 条件の優先順位づけ | 譲れない条件を3つに絞る |
| 3. 情報収集 | 求人サイト・エージェントで相場を把握 |
| 4. 応募・面接 | 見学で職場の雰囲気を必ず確認 |
| 5. 円満退職 | 引き継ぎ・退職時期を計画的に |
よくある失敗と対策
看護師の転職で起きやすい失敗と対策を、編集部で整理しました。
| 失敗 | 対策 |
|---|---|
| 求人票だけで決める | 必ず職場見学・面談で実態を確認 |
| 年収だけで選ぶ | 夜勤回数・残業・通勤も含めて総合判断 |
| 1社だけに応募 | 2〜3社を比較して相場感を持つ |
転職を進める前のチェックリスト
応募前に次の点を整理しておくと、ミスマッチを大きく減らせます。転職・派遣・単発のサービスの違いは、看護師の転職・派遣・単発サービス比較で整理しています。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 譲れない条件 | 夜勤・通勤・給与の優先順位を3つに絞る |
| 職場見学 | 必ず見学し、人員体制と雰囲気を確認 |
| 年収の内訳 | 基本給・夜勤手当・賞与を総額で比較 |
| 夜勤の回数と手当 | 月の夜勤回数と、1回あたりの夜勤手当の額 |
| 退職の段取り | 引き継ぎと退職時期を計画的に |
看護師向け転職サービスの選び方
看護師専門の転職サイト・エージェントは求人数が多く、非公開求人や職場の内部情報を持っています。2〜3社に登録して比較し、担当者との相性で絞り込むのが王道です。医療・福祉系の資格職キャリアをまとめた資格・専門職キャリアまとめもあわせてご覧ください。
この記事のデータの出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第1表(職種(小分類)、性別 きまって支給する現金給与額・年間賞与その他特別給与額)と第5表(職種(小分類)、年齢階級別。いずれも産業計・企業規模10人以上)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)」参考統計表(職業別・常用(パート含む))
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」「令和7年就労条件総合調査」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
- 日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(2013年2月)

