トヨタと日産は「盤石の世界首位」か「再建途上の挑戦」か
自動車大手のトヨタと日産。規模・収益・安定で世界トップを走るトヨタ、経営再建に取り組む日産という対比が現状です。就職難易度・年収・安定性ではトヨタが明確に上。本記事では公開情報をもとに5軸で比較し、企業の安定性も含めて検討します。
就職難易度・年収の比較
| 項目 | トヨタ自動車 | 日産自動車 |
|---|---|---|
| 就職偏差値 | 66 | 61 |
| 平均年収(有報・2026年3月期) | 1,006万円 | 857万円 |
| 経営状況 | 世界首位・高収益 | 再建途上 |
| 初任給(学部卒・公式) | 月給27万5000円(2025年度実績) | 月給260,000円(2026年度実績) |
※就職偏差値は当サイトの目安。平均年収は各社の2026年3月期有価証券報告書の提出会社単体の平均、初任給は公式採用ページ(2026年10月12日取得)の記載です。企業の経営状況は変動するため、最新のIR・業績を必ず確認してください。
有価証券報告書で見る5年の業績
「盤石のトヨタ、再建途上の日産」という対比は、有価証券報告書の数字にもそのまま出ています。2社の連結の業績を並べました。
| 決算期(連結) | トヨタ 営業収益 | トヨタ 純利益 | 日産 売上高 | 日産 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 31兆3,795億円 | 2兆8,501億円 | 8兆4,246億円 | 2,155億円 |
| 2023年3月期 | 37兆1,543億円 | 2兆4,513億円 | 10兆5,967億円 | 2,219億円 |
| 2024年3月期 | 45兆953億円 | 4兆9,449億円 | 12兆6,857億円 | 4,266億円 |
| 2025年3月期 | 48兆367億円 | 4兆7,651億円 | 12兆6,332億円 | −6,709億円 |
| 2026年3月期 | 50兆6,850億円 | 3兆8,481億円 | 12兆79億円 | −5,331億円 |
※各社の有価証券報告書(2026年3月期)の主要な経営指標等の推移(金融庁 EDINET)。トヨタはIFRSの営業収益、日産は日本基準の売上高です。
トヨタは5年で売上を約1.6倍にして、50兆円を超えました。純利益は2024年3月期の4兆9,449億円がピークで、2026年3月期は3兆8,481億円と下がっていますが、それでも日産の売上高の3分の1近い利益を出しています。いっぽう日産は、2025年3月期に6,709億円、2026年3月期に5,331億円の純損失で、2年続けて赤字でした。自己資本比率もトヨタ37.8%に対して日産24.2%です。
研究開発費はトヨタが1兆5,229億円、日産が5,625億円で、約2.7倍の差があります。本体の社員はトヨタ73,133人、日産23,174人で、平均年齢(40.5歳と40.9歳)と平均勤続年数(15.1年と14.9年)はほとんど同じです。年収の差(約150万円)は、社員の年齢構成ではなく、会社の業績と規模の違いから来ていると読めます。
公式の募集要項と働き方の公表値
トヨタは事務職・技術職(総合職)と業務職(一般職)、医務職に分けて募集していて、総合職の初任給は学部卒月給27万5000円、修士修了30万円(2025年度実績)です。応募資格は国内の大学・高専を2023年4月から2027年3月に卒業(見込み)の人で、既卒も一定の範囲で応募できます。日産は事務系職種(文理共通)と、技術系・技能系職種(技術職・テクニカルエンジニア職)の募集で、初任給は学部卒26万円・修士了28万円・博士了30万円(2026年度実績)でした。2028年度新卒向けのインターンシップは、日産が技術系を2026年4月10日、事務系を4月27日に受け付け始めています。
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、正社員の月平均の残業時間がトヨタ20.3時間、日産16.8時間(一般従業員)と公表されています(2026年10月16日更新のデータを加工)。当サイトの就活判定(加点なし)では、トヨタは大学群3段目の文系から「対策次第」になるのに対して、日産は3段目まで文理とも「十分射程」でした。偏差値5ポイントの差は、判定でもはっきり一段の差として出ています。
勤務地とグループの広がり
入社後に働く場所も、公式の募集要項に書かれています。トヨタは豊田本社・東京本社・名古屋オフィス・東富士研究所・各工場などの国内事業所と海外事業所で、愛知県が中心です。日産は横浜のグローバル本社、厚木の日産テクニカルセンター、厚木・追浜・栃木の開発拠点、横浜・追浜・栃木・いわき・九州の工場で、神奈川県が中心になります。トヨタの有価証券報告書によると、グループは子会社602社と関連会社・共同支配企業159社にのぼり、自動車のほかに金融事業も持っています。
業界全体の数字も見ておくと、自動車メーカーが入る製造業の平均は、フルタイムで月14.7時間の残業(厚生労働省「毎月勤労統計調査」2025年)で、2社ともそれより長めです。いっぽう機械関係の製造業の大卒3年以内離職率は16.8%(2022年3月卒)と、全産業の33.8%の半分ほどで、長く働く人が多い業種です。
事業・将来性の違い
| 項目 | トヨタ自動車 | 日産自動車 |
|---|---|---|
| 強み | 規模・全方位戦略・盤石な財務 | EV・技術(かつての先行) |
| EV戦略 | 全方位(HV/EV/水素) | EVに早期注力 |
| 安定性 | 非常に高い | 再建途上で不確実性 |
| 向く人 | 規模・安定で挑戦したい | 再建・変革に関わりたい |
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 規模×安定×全方位戦略 | トヨタ |
| 再建・変革のダイナミズム | 日産 |
結論として、安定・規模のトヨタ、再建・変革の日産が選び方の軸です。日産は経営状況が報じられる時期もあるため、最新のIR・業績を確認し、自分にとっての魅力とリスクを総合判断しましょう。逆求人PRサイトで自分の市場価値を測り、早期に選考対策PRを進めるのが有効です。トヨタvsホンダはトヨタvsホンダ、自動車業界全体は自動車業界就職難易度ランキングもご覧ください。
この記事のデータの出典
- トヨタ自動車・日産自動車の有価証券報告書(2026年3月期・金融庁 EDINET)
- 各社の公式採用ページ(2026年10月12日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成

