内定おめでとうございます。ここからは社会人としての新生活の準備です。入社までに「口座」「カード」「家計の型」の3つを整えておくと、4月からのスタートがぐっと楽になります。
内定後のお金の準備というと、何から手を付けるべきか迷いますが、やることは大きく3つに整理できます。①給与を受け取る銀行口座、②社会人生活で使うクレジットカードなどの決済手段、③毎月の収支を回す家計の型です。いずれも入社後でも作れますが、4月は研修や引っ越しで想像以上に忙しく、金融機関の手続きは平日日中に必要なものもあります。時間に余裕のある内定期間中に済ませておくのが合理的です。なお、入社直前の過ごし方全般は内定後〜入社前の過ごし方ガイドで、内定承諾そのものの手順は内定承諾の完全ガイドで詳しく解説しています。
最初にやるべきは給与振込口座の確認です。まず入社書類で振込先の金融機関に指定があるかを確認しましょう。会社によっては提携銀行を案内される場合がありますが、労働基準法上、給与の振込先は本人の同意にもとづくのが原則で、多くの会社では本人名義の口座を自由に指定できます。口座を新しく作る場合の判断軸は「給与振込・家賃引き落とし・貯蓄を1つの口座に集めるか、用途別に分けるか」です。生活用と貯蓄用の口座を分けると、使ってよいお金の残高が一目でわかり、家計管理が簡単になります。また、銀行に預けたお金は預金保険制度により、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息等が保護されます(預金保険機構)。新社会人の預金額でこの上限を超えることはまずありませんが、金融機関選びで過度に不安になる必要はない、という基礎知識として知っておくと安心です。
家計の型を決めるには、まず収入と支出の水準を公的データで押さえます。厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、新規学卒者(大学卒)の所定内給与額は月24万8,300円(男女計)です。ここから税金や社会保険料が引かれるため、実際に使える手取りはこれより少なくなります(手取り額は住む地域や条件で変わるため、給与明細で確認するのが確実です)。一方、支出側の参考として、総務省の家計調査(2024年平均)では単身世帯の消費支出は1か月平均16万9,547円です。この数字は全年齢の単身世帯の平均(高齢単身世帯を含む)なので、新社会人の生活費がそのままこの額になるわけではありませんが、「一人暮らしの支出は月十数万円規模」という相場観の目安になります。家計の型としては、給料日に貯蓄分を先に別口座へ移す「先取り貯蓄」が、意思の力に頼らずに続けやすい定番の方法です。初任給の企業間の差が気になる人は初任給30万円以上の企業まとめや年収ランキングも参考にしてください。
2022年4月の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられ、18歳以上なら親の同意なしでクレジットカードの契約ができるようになりました(政府広報オンライン)。同時に、未成年者が親の同意なく結んだ契約を取り消せる「未成年者取消権」は成人には適用されないため、契約の責任はすべて自分が負うことになります。カードは家賃・公共料金の支払いへの対応や利用履歴の管理など社会人生活で実用性が高い一方、リボ払いなど手数料負担が大きくなりやすい支払い方式もあります(国民生活センターが注意喚起しています)。「どの判断軸で選ぶか」「どう使えば安全か」は新社会人のクレジットカードの選び方で詳しく解説しているので、申し込む前に一読してください。
所得税の源泉徴収、住民税、健康保険・厚生年金といった手続きの大半は、会社員の場合は勤務先が給与天引きで処理してくれます。内定者の段階で自分でやるべきことは多くありません。押さえておきたいのは、①入社時に年金手帳(基礎年金番号)やマイナンバーの提出を求められること、②住民税は前年の所得に対して課税されるため社会人1年目は天引きされないことが多く、2年目から住民税の天引きが始まり手取りが変わること、の2点です。将来の資産形成(NISA・iDeCoなど)は、まず毎月の家計が回るようになってから検討すれば十分です。焦って金融商品を契約する必要はありません。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 内定直後〜秋 | 給与振込口座の確認・開設 | 入社書類で指定の有無を確認。生活用と貯蓄用を分けるか決める |
| 秋〜年末 | クレジットカードの検討 | 判断軸を決めてから比較する。同時期の多重申し込みは避ける |
| 1〜2月 | 住まいと初期費用の計画 | 一人暮らしをする場合は初期費用の見積もりを先に立てる |
| 3月 | 家計の型を決める | 先取り貯蓄の金額と固定費の引き落とし口座を確定する |
| 入社後 | 給与明細で手取りを確認 | 想定との差を確認し、貯蓄額・固定費を調整する |
※ 時期はあくまで目安です。ご自身の入社時期・住環境に合わせて前後させてください。
A.必須ではありませんが、内定期間中に作っておくのが合理的です。4月は研修や引っ越しで忙しく、金融機関の手続きには時間がかかる場合があるためです。会社から振込先金融機関の案内がある場合もあるので、先に入社書類を確認しましょう。
A.総務省の家計調査(2024年平均)では単身世帯の消費支出は1か月平均16万9,547円です。ただしこれは全年齢の単身世帯の平均であり、住む地域や家賃で大きく変わります。あくまで目安として、自分の家賃を起点に見積もるのが実用的です。
A.急ぐ必要はありません。まず毎月の家計が黒字で回る状態を作ることが先です。生活防衛のための貯蓄がある程度できてから、少額で検討すれば十分です。金融商品の契約は成人の場合取り消しができないため、仕組みを理解してから判断してください。
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