『地方在住エンジニア』は2026年に現実的な選択肢
リモートワークの広がりで、地方に住みながら東京の会社で働く選択肢も現実的になりました。本記事では、国土交通省のテレワーク人口実態調査と当サイトの企業データをもとに、地方エンジニアの戦略を整理します。地方移住戦略 もご参考に。
4つの地方エンジニアのタイプ
(1) Uターン:都市部経験後の地元帰還。(2) Iターン:地元出身でない地方移住。(3) 地元育ち継続:そもそも地方で就職。(4) リモート地方在住:都市部企業に勤務。(5) 地方発スタートアップ:地域課題解決。
地方の現実
まず、テレワークがどれくらい広がっているかを公的なデータで確認します。国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査」(2025年10月にWEBで実施、40,000人)では、会社などに雇われて働く人のうちテレワークをしている人(雇用型テレワーカー)の割合は全国で25.2%でした。住んでいる地域で分けると、差がはっきり出ます。
| 住んでいる地域 | 雇用型テレワーカーの割合(令和7年度) |
|---|---|
| 首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川) | 37.7% |
| 近畿圏(京都・大阪・兵庫・奈良) | 25.0% |
| 中京圏(愛知・岐阜・三重) | 22.8% |
| 地方都市圏(上記以外の道県) | 17.2% |
| 全国 | 25.2% |
※国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査-調査結果-」(2026年3月)。テレワーカーは、これまでにテレワークをしたことがある人。
地方都市圏の17.2%は首都圏の半分以下です。ただし業種で見ると、同じ調査で雇用型テレワーカーの割合が最も高いのは情報通信業の74.1%で、学術研究・専門・技術サービス業の54.0%が続きます(最も低いのは宿泊業・飲食業の6.0%、医療・福祉の6.4%)。エンジニアの多い情報通信業は、地域を問わずテレワークを取り入れやすい業種だと分かります。
「これまでにしたことがある」ではなく、直近1年間に実際にテレワークをした人の割合(雇用型)も見ておきましょう。令和7年度は全国16.8%、首都圏28.1%、近畿圏15.6%、中京圏14.3%、地方都市圏9.8%でした。地方都市圏は令和3年度の12.6%から下がり、ここ3年は9%台で推移しています。全国では令和6年度の15.6%から令和7年度は16.8%に増え、国土交通省は「安定基調で推移」とまとめています。地方で実際に在宅勤務をしている人は1割ほどで、会社を選ぶときに「テレワーク可」の中身(毎日か、週に何日か)を確かめる大切さが分かります。
会社に雇われず、個人で仕事を請け負う働き方(自営型)のテレワーカーの割合は、令和7年度に首都圏41.4%、地方都市圏25.3%でした。雇用型より地域の差は小さく、仕事を自分で選べる働き方のほうが、住む場所の影響を受けにくい傾向があります。
(1) 求人数:地元のみだと限定的。(2) 通信インフラ:自宅の回線を事前に確認。(3) コミュニティ:地域別の勉強会あり。給与と生活費の差は地域と会社で大きく変わるので、求人票の給与と、住みたい地域の家賃を具体的に比べて判断しましょう。
東京の会社に勤める道
当サイトの掲載企業511社の本社所在地を数えると、東京都が409社(80.0%)で、大阪府39社、愛知県13社、京都府13社が続きます。IT・テックとスタートアップに絞ると、掲載80社のうち77社が東京都に本社を置き、残る3社もZOZO(千葉県)、コーエーテクモホールディングス(神奈川県)、Sky(愛知県)です。地方に住みながら大手で働くなら、東京本社の会社のリモート勤務や地方拠点を探すことが現実的な選択肢になります。応募の前に、カジュアル面談で「出社の頻度」「地方在住者の在籍数」「出張の交通費の扱い」を確かめておくと、入社後のずれを防げます。前の節で見たとおり、地方都市圏で直近1年間にテレワークをした人は9.8%にとどまるので、「リモート可」と書かれていても、実際にどれだけ在宅で働けるかは会社ごとに確かめる必要があります。
地方エンジニアの主な選択肢
(1) 地元IT 企業:受託/自社サービス。(2) 東京企業のリモート勤務。(3) 業務委託:複数案件並行。(4) 地元行政DX:シビックテック。(5) 独立起業:地域課題解決。フリーランス案件サービス比較 もご参考に。
地方都市のIT 環境
(1) 福岡:スタートアップ集積・国際空港。(2) 札幌:受託・サテライト多。(3) 仙台:東北の中核。(4) 名古屋:トヨタ系・製造業IT。(5) 京都/大阪:京阪神経済圏。いずれも市況・職種で大きく違います。国土交通省の調査では、雇用型テレワーカーの割合が近畿圏で25.0%、中京圏で22.8%と、地方都市圏(17.2%)より高く、名古屋や京阪神は在宅で働ける人が比較的多い地域です。福岡・札幌・仙台は地方都市圏に含まれるため、この17.2%には大都市と小さな町の両方が入っている点にも注意してください。
地方在住で年収を上げる戦略
(1) リモート可の東京企業に転職。(2) 業務委託の複数並行。(3) 専門特化:希少スキル。(4) 登壇・執筆:副収入。(5) 海外企業 EOR 経由。海外就労 もご参考に。
地方ならではのライフ
(1) 住居コスト:地域による差が大きいので家賃相場を確認。(2) 子育て環境:自然・教育費。(3) 通勤時間ゼロ。(4) 家族・親との距離近い。(5) 地域コミュニティ。教育家族投資 もご参考に。
失敗しがちなパターン
(1) 地元企業のみ志望:選択肢狭い。(2) 東京経験ゼロで CTO 志望:人脈不足。(3) 独立急ぎ:地方は案件少。(4) 地域コミュ不参加:孤独。(5) 勉強会オンライン化諦め。対策は、(1)リモート可も検討、(2)登壇・SNS で人脈、(3)5年計画、(4)月1勉強会参加、(5)地元IT コミュ加入、です。
この記事のデータの出典
- 国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査-調査結果-」(2026年3月、調査は2025年10月24日〜11月4日、有効サンプル40,000人)
- 当サイトの企業データ(掲載511社の本社所在地、2026年10月16日時点)

