IT・Web業界の職種を1枚の地図で理解する
IT・Web業界は職種が多く、それぞれに必要なスキルやキャリアの進み方が違います。この記事では、主な職種を6つのカテゴリに分けて、役割を一覧にします。年収は職種ごとに分けた国の統計がないため、後半で国の統計の3つの区分(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」)を載せています。気になる職種があれば、個別の記事で深掘りしてみてください。
(1) 開発系職種
(1) フロントエンドエンジニア:Webの画面側を開発。React/Vue等。(2) バックエンドエンジニア:サーバ・API・DBを開発。(3) フルスタックエンジニア:両方を担う。(4) モバイルアプリエンジニア:iOS/Android開発。(5) 生成AIエンジニア:LLM・RAG・AIエージェント開発。生成AIエンジニアロードマップ 参照。未経験からの参入は AI時代の未経験エンジニア転職 もご参考に。
(2) インフラ・運用系職種
(1) インフラエンジニア:サーバ・ネットワーク基盤を構築・運用。(2) SRE(サイト信頼性エンジニア):運用をコード化し、サービスの信頼性を保つ。(3) クラウドエンジニア:AWS/GCP/Azureの設計・運用。(4) セキュリティエンジニア:サイバー攻撃からの防御。(5) QA・テストエンジニア:品質保証・テスト自動化。
(3) データ・AI系職種
(1) データアナリスト(DA):ビジネスデータの分析・可視化。(2) データサイエンティスト(DS):機械学習・統計でビジネス課題を解決。(3) MLエンジニア(MLE):MLモデルの本番運用・MLOps。(4) データエンジニア:データ基盤・パイプライン構築。(5) AI研究職:AIの研究・論文・実装。
(4) マネジメント系職種
(1) テックリード(TL):技術面のリーダー。(2) エンジニアリングマネージャー(EM):人と組織のマネジメント。(3) プロダクトマネージャー(PdM):プロダクトの企画・戦略・推進。(4) プロジェクトマネージャー(PjM):プロジェクトの進行管理。(5) CTO/VPoE:技術組織のトップ。シニアエンジニアからCTO 参照。
(5) ビジネス・顧客系職種
(1) カスタマーサクセス(CS):顧客がサービスを使いこなせるよう支え、契約の継続につなげる。(2) セールスエンジニア(プリセールス):技術知識を活かした提案営業。(3) ITコンサルタント:IT戦略・システム導入の支援。(4) テクニカルライター:技術文書・ドキュメント作成。(5) デベロッパーリレーションズ(DevRel):開発者コミュニティとの関係づくり。
(6) デザイン・クリエイティブ系職種
(1) UI/UXデザイナー:使いやすさ・体験の設計。(2) Webデザイナー:Webサイトのビジュアル設計。(3) プロダクトデザイナー:プロダクト全体のデザイン。(4) UXリサーチャー:ユーザー調査・気づきの掘り起こし。(5) クリエイティブディレクター:デザイン組織の統括。
IT職種の年収を国の統計で見る
この記事の30職種ごとの年収を示す国の統計はありません。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、ITの技術職は「システムコンサルタント・設計者」「ソフトウェア作成者」「その他の情報処理・通信技術者」の3つの区分に分かれていて、「フロントエンドエンジニア」「SRE」「データサイエンティスト」のような職種名の区分はありません。3つの区分の全国平均は次のとおりです。
| 統計の区分 | 年収(全国平均) | 平均年齢 | 推計人数 |
|---|---|---|---|
| システムコンサルタント・設計者 | 889.0万円 | 38.3歳 | 17万4,140人 |
| その他の情報処理・通信技術者 | 609.8万円 | 42.2歳 | 21万4,820人 |
| ソフトウェア作成者 | 578.5万円 | 37.1歳 | 81万7,860人 |
※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第1表(職種(小分類)、性別)から当サイトが計算(確認日2026年10月22日)。年収は「きまって支給する現金給与額(6月分)×12+年間賞与その他特別給与額」で、全国・企業規模10人以上・男女計の平均です。残業代や深夜手当などの割増賃金を含みます。
3つの中では、要件づくりや設計を担う区分(システムコンサルタント・設計者)がいちばん高く、ソフトウェア作成者との差は約311万円です。プログラムを作る仕事の多くはソフトウェア作成者に、設計や要件定義を担う仕事はシステムコンサルタント・設計者にあたると考えられますが、どの区分に入るかは、調査で勤め先が記入した職種によります。年齢別・会社の規模別の数字は エンジニアの実態年収データ で詳しく見られます。
求人の数で見ると
ハローワークの統計(厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」の参考統計表、常用・パートを含む原数値)では、2026年8月の「情報処理・通信技術者」の有効求人倍率は1.33倍で、職業全体の1.06倍を上回っています。求職者1人に対して1.33件の求人がある、という意味です。ただしハローワークを通した求人・求職だけの数字で、転職サイトや転職エージェントの求人は入っていません。出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)について」(2026年10月2日公表、2026年10月22日確認)。
職種と国家試験の対応の例(編集部の見方)
情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験と情報処理安全確保支援士試験は、全部で13の試験区分があります。職種を考えるときの目印として、次のように対応させてみると、身につけたい知識が見えやすくなります。入口: ITパスポート試験・基本情報技術者試験。インフラ: ネットワークスペシャリスト試験。データ: データベーススペシャリスト試験。セキュリティ: 情報処理安全確保支援士試験・情報セキュリティマネジメント試験。マネジメント: プロジェクトマネージャ試験・ITサービスマネージャ試験。上流の設計・戦略: システムアーキテクト試験・ITストラテジスト試験。試験区分の一覧は IPA「試験区分」 で確かめられます(2026年10月22日確認)。
職種選びの3つの視点
(1) 自分の志向:技術を究めたいか、人を率いたいか、顧客と向き合いたいか。(2) 市場価値と将来性:AI時代に求められる役割か。(3) 参入難易度と学習コスト:未経験から入りやすいか、専門性が必要か。まずは自己分析で自分の適性を把握し、興味のある職種の個別記事を深掘りすることをおすすめします。自己分析フレームワーク もご活用ください。
訂正(2026年10月22日):以前の版では、職種ごとの年収の幅(例: フロントエンドエンジニア 450〜1,000万円、セキュリティエンジニア 400〜3,000万円、カスタマーサクセス 400〜2,500万円など13職種)を「公開情報をもとにした目安」として載せていました。出典を示せないため削除し、国の統計の3つの区分の全国平均に置き換えました。title の「年収」も、職種ごとの年収を載せない内容に合わせて外しました。

