鹿島と大林組は「技術の鹿島」か「バランスの大林」か
スーパーゼネコン5社の中でも売上トップを争う鹿島建設と大林組。超高層・耐震など技術力に定評のある鹿島、土木・建築・開発のバランスが良い大林組という対比が基本です。就職難易度・年収はほぼ同水準の業界トップ級です。本記事では公開情報をもとに5軸で比較します。
就職難易度・偏差値の比較
両社ともスーパーゼネコンの難関で、就職偏差値は鹿島62・大林組61とほぼ同水準です。技術職(建築・土木)と事務職で採用が分かれます。
| 項目 | 鹿島建設 | 大林組 |
|---|---|---|
| 就職偏差値 | 62 | 61 |
| 採用区分 | 技術系・事務系 | 技術系・事務系 |
| 技術職の出身 | 建築・土木系学科 | 建築・土木系学科 |
| 新卒採用の人数(公式) | 公式ページで取得できず | 2025年(予定)413人(文系52人・理系361人) |
※就職偏差値は当サイトの目安。大林組の採用人数は公式採用ページ(2026年10月12日取得)の記載です。技術職は学科・研究内容とのマッチングが重視されます。
年収の比較
両社とも平均年収1,000万円超と高水準です。建設需要(再開発・国土強靱化・半導体工場建設)が旺盛で待遇は安定的です。
| 年齢・項目 | 鹿島建設 | 大林組 |
|---|---|---|
| 平均年収(有報・2026年3月期) | 約1,245万円 | 約1,239万円 |
| 平均年齢・平均勤続年数 | 41.2歳・15.7年 | 42.0歳・15.9年 |
| 初任給(大学卒・公式) | 公式ページで取得できず | 全国型300,000円(2026年4月実績) |
※平均年収・平均年齢・平均勤続年数は各社の2026年3月期有価証券報告書の提出会社単体の数字です。年齢別の年収は公表されていないため載せていません。
有価証券報告書で見る5年の伸び
平均年収はわずか6万円の差ですが、会社の伸び方には違いがあります。2社の連結の業績を5年前と比べました。
| 項目(連結) | 鹿島建設 | 大林組 |
|---|---|---|
| 売上高(2022年3月期→2026年3月期) | 2兆797億円→3兆673億円 | 1兆9,229億円→2兆5,863億円 |
| 純利益(2022年3月期→2026年3月期) | 1,039億円→1,773億円 | 391億円→1,738億円 |
| 従業員数(提出会社/連結) | 8,959人/21,170人 | 9,472人/18,031人 |
| 研究開発費 | 242億円 | 177億円 |
| グループ会社 | 子会社219社・関連会社106社 | 子会社130社・関連会社26社 |
※各社の有価証券報告書(2026年3月期・日本基準・金融庁 EDINET)。
売上は鹿島建設が約1.47倍、大林組が約1.35倍で、鹿島が一回り大きく伸びています。いっぽう純利益の伸びは大林組が大きく、391億円から1,738億円へ約4.4倍になりました。直近の純利益は2社とも1,700億円台に並んでいます。研究開発費は鹿島が242億円と大林組を上回り、「技術の鹿島」という呼び方は、数字の上でも裏づけがあります。
大林組の新卒採用を公式の募集要項で見る
大林組は採用の条件を細かく出しています。職種は建築・土木・設備・機電・事務の5つで、勤務地は「全国型」と、採用時に決めた事業所の地域に限る「拠点型」に分かれます。初任給は全国型で大学卒300,000円・修士320,000円・博士350,000円(2026年4月実績)、拠点型の大学卒は地域によって240,000〜270,000円です。採用人数は2023年354人、2024年359人、2025年(予定)413人と増えていて、2025年は文系52人・理系361人と、理系が9割近くを占めます。
事務系の採用は413人中52人なので、文系の人にとっては思ったより狭い入口です。ゼネコンを目指す文系の人は、スーパーゼネコンを複数併願するか、事務職の採用が多い不動産デベロッパーまで視野に入れておくと安心です。
代表作・社風と働き方
鹿島は超高層・免震・耐震など技術力で知られ、研究所を持つ「技術の鹿島」。大林組は東京スカイツリーの施工で知られ、土木・建築・開発のバランスが良い堅実な社風です。ゼネコンは現場配属が基本ですが、近年は週休2日・働き方改革が業界全体で進んでいます。
| 項目 | 鹿島建設 | 大林組 |
|---|---|---|
| 強み | 超高層・耐震など技術力 | 土木・建築・開発のバランス |
| 代表作 | 超高層ビル・大型土木 | 東京スカイツリー |
| 社風 | 技術志向・誇り | 堅実・バランス |
| 向く人 | 技術で建築に挑みたい | 幅広い領域で経験したい |
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 超高層・耐震など技術志向 | 鹿島建設 |
| 土木・建築・開発のバランス | 大林組 |
| 研究開発に近い建築 | 鹿島建設 |
| スカイツリーのような大型案件 | 大林組 |
結論として、技術力の鹿島、バランスの大林が選び方の軸です。2社は同格で社風・手がけたい領域で選ぶのが正解。難関ゼネコンを目指すなら、逆求人PRサイトで自分の市場価値を測り、早期に選考対策PRを進めるのが有効です。4社比較はスーパーゼネコン4社の比較、清水vs大成は清水建設vs大成建設もご覧ください。
働き方の公表値(数え方の違いに注意)
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に、スーパーゼネコン5社はそろって月平均の残業時間を公表しています。鹿島建設6.4時間(全従業員・2025年度・法定労働時間との差で計算)、大林組32.1時間(就業規則上の7時間45分を超えた時間と社休日の労働で計算)、清水建設22.9時間(管理職除く・2025年度)、竹中工務店22.4時間(全従業員)、大成建設29.7時間(正社員)でした。有給休暇の取得率は大林組64.8%、清水建設64.3%(いずれも2025年度)です(2026年10月16日更新のデータを加工)。
鹿島と大林組の数字は5倍も違いますが、ここは数え方の違いがとても大きい部分です。鹿島は法定労働時間を基準に、大林組は会社の所定労働時間(7時間45分)と社休日の労働を基準に計算していて、同じ働き方でも大林組の方式のほうが長く出ます。建設業全体の平均は、フルタイムで月13.5時間の残業・総実労働時間164.3時間(毎月勤労統計調査・2025年)、有給取得率60.7%(令和7年就労条件総合調査)、大卒の3年以内離職率30.5%(2022年3月卒)でした。当サイトの就活判定で、加点を入れずに大学群と文理だけで判定すると、鹿島と大林組はまったく同じ結果になりました。大学群が上位(3段目)までなら文系・理系とも「十分射程」で、準上位から下(4〜6段目)は「対策次第」です。
この記事のデータの出典
- 鹿島建設・大林組の有価証券報告書(2026年3月期・金融庁 EDINET)
- 大林組 公式採用ページ「募集要項」(2026年10月12日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」「令和7年就労条件総合調査」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

