医療機器は「高齢化で安定成長」、世界シェアを持つ優良業界
医療機器業界は、高齢化・医療の高度化を背景に安定成長する業界です。内視鏡で世界首位のオリンパス、カテーテルなどのテルモをはじめ、日本企業は世界シェアを持つ分野が多数。社会貢献性と安定性を両立できるのが魅力です。本記事では公開情報をもとに就職難易度を整理します。
医療機器業界 就職偏差値ランキング
医療機器を手がける大手のうち、当サイトに有価証券報告書のデータがある5社を、就職偏差値の高い順に並べました。内視鏡で世界首位のオリンパス、カテーテルなどのテルモ、光学のHOYAに、分析機器の島津製作所と医療画像を持つコニカミノルタも加えています。初任給は各社の公式採用ページの記載です。
| 企業 | 就職偏差値 | 平均年収(有報) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 初任給(大卒・公式) |
|---|---|---|---|---|---|
| HOYA | 66 | 970万円(2026年3月期) | 47.6歳 | 18.7年 | — |
| 島津製作所 | 65 | 924万円(2026年3月期) | 43.9歳 | 18.5年 | 284,000円(2026年度実績) |
| テルモ | 63 | 822万円(2026年3月期) | 40.3歳 | 15.6年 | 291,300円(2026年4月実績) |
| オリンパス | 62 | 1,006万円(2026年3月期) | 44.1歳 | 15.74年 | — |
| コニカミノルタ | 62 | 844万円(2026年3月期) | 46.4歳 | 20.7年 | 276,550円(2026年4月実績) |
※有価証券報告書(2026年3月期・提出会社単体)と各社の公式採用ページ(2026年10月11〜12日取得)。HOYAとオリンパスは公式採用ページの初任給を取得できていないため「—」です。
5社の売上の伸びを5年前(2022年3月期)と比べると、違いがはっきり出ます。テルモは7,033億円から1兆1,319億円へと約1.6倍、HOYAは6,615億円から9,477億円、オリンパスは7,501億円から1兆107億円に伸びました。研究開発費はオリンパスが1,099億円と売上の約1割を占め、テルモも769億円をかけています。新しい治療機器を出し続けることが競争力になる業界だということが、この数字からも分かります。
利益の伸びも見てみると、テルモの純利益は888億円(2022年3月期)から1,359億円(2026年3月期)まで5年続けて増えています。オリンパスは2024年3月期の2,426億円から2026年3月期は682億円に下がっていて、同じ業界でも会社ごとの浮き沈みがあります。志望先を選ぶときは、1年分の数字だけでなく5年の流れで見るのがおすすめです。
テルモの新卒採用を公式の数字で見る
採用の中身まで公開しているのがテルモです。2026年の新卒採用の実績は、企画営業コース70名・開発技術コース109名・SEコース4名で、技術系が6割近くを占めます。初任給は大卒・高専専攻科291,300円、修士307,300円、博士339,500円(2026年4月実績)でした。勤務地は東京の本社やオフィスのほか、全国22か所の販売拠点、静岡・山梨の工場、神奈川の湘南センターに分かれます。
コースは企画営業・開発技術・オペレーションDX(旧メディカルDXコース)・SEの4つです。2027年度新卒のエントリーは、博士・ポスドク向けが2025年11月15日、一般向けが2026年3月1日に始まっていて、博士課程・ポスドクの人は、学部・修士より3か月半早く選考の入口が開くことになります。
企画営業コースは病院や医師に製品を届ける仕事なので、文系の入口はここが中心になります。開発技術コースは機械・電気・材料・生物など幅広い専攻の受け皿で、医療機器の就活は「理系は開発・生産、文系は営業」と入口がかなりはっきり分かれているのが特徴です。
働き方の公表値
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、医療機器の大手が働き方の数字を公表しています。正社員の月平均の残業時間は、テルモ20.0時間(事業場外みなしの社員・契約社員を含む)、オリンパス19.6時間、コニカミノルタ17.9時間(所定労働時間を超えた分)、ニプロ15.5時間、シスメックス15.3時間、島津製作所8.5時間、日本光電工業8.2時間でした。有給休暇の取得率は島津製作所79.5%、テルモ72.9%です。
※出典:職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成。数え方(法定の8時間か、会社の所定労働時間か)は会社ごとに違います。
同じ医療機器でも残業は月8〜20時間と2倍以上の幅があります。受ける会社の公表値は一度見ておくと安心です。医療機器メーカーが入る製造業の平均は、フルタイムで月14.7時間の残業(毎月勤労統計調査・2025年)、有給休暇の取得率72.8%(令和7年就労条件総合調査)、大卒の3年以内離職率21.2%(2022年3月卒)で、どれも全産業の平均より働きやすい側の数字です。
医療機器業界の魅力と将来性
医療機器の魅力は「社会貢献性」と「高齢化による安定成長」「世界シェア」です。人の命・健康に直結する製品で、やりがいが大きく、景気に左右されにくい安定業界。オリンパスの内視鏡のように世界シェアトップの分野も多く、グローバルに活躍できます。理系(機械・電気・医工・生物)は研究・開発、文系は営業(病院・医師向け)・マーケティング・薬事で活躍可能。AI診断・低侵襲治療・デジタルヘルスなど成長領域も拡大中。「医療で社会に貢献したい」「安定×グローバル」を求める人に向く優良業界です。
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この記事のデータの出典
- 各社の有価証券報告書(2026年3月期・金融庁 EDINET)
- テルモ・島津製作所・コニカミノルタの公式採用ページ(2026年10月11〜12日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成

