「クラウド資格を取りたいが、AWS・Azure・GCP(Google Cloud)のどれから始めるべきか分からない」——本記事では、2026年時点の シェア実測データ と 3社の資格体系・受験料 を比較し、リスキリング・転職を目指す社会人向けに「どれから取るか」をタイプ別に整理します。
クラウド3社のシェア比較(2026年)
米調査会社 Synergy Research Group によると、2026年第1四半期の世界クラウドインフラ市場のシェアは AWS 28%・Microsoft Azure 21%・Google Cloud 14%。3社合計で市場の63%を占めます。市場全体の四半期支出は1,290億ドル・前年比35%増と、生成AI需要を背景に拡大が加速しています。
| プロバイダ | 世界シェア(2026年Q1) | 売上成長率(前年比) |
|---|---|---|
| AWS | 28% | +28% |
| Microsoft Azure | 21% | +40% |
| Google Cloud | 14% | +63% |
シェア首位はAWSですが、成長率ではGoogle Cloudが最も高く、AzureとGoogle Cloudが徐々に差を詰める構図です(出典: Synergy Research Group・2026年Q1調査)。
国内に目を向けると、総務省「令和6年通信利用動向調査」では企業の 80.6% がクラウドサービスを利用(一部利用を含む)しており、クラウド活用はすでに標準です。また MM総研 の国内調査(2022年6月時点・複数利用を含む利用率)では、IaaS利用企業のうち AWS 54.7%・Azure 44.0%・GCP 26.2% と、国内でもAWS優位・Azure追走の傾向が示されています。
3社の特徴の違い
| 観点 | AWS | Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 得意領域 | サービスの網羅性・導入実績 | Microsoft製品連携・大企業/官公庁 | データ分析(BigQuery)・AI/ML |
| 採用企業の傾向 | Web系から大企業まで幅広い | Microsoft 365/Windows Server環境の企業 | データ活用企業・スタートアップ |
| 日本語の学習情報 | 非常に多い | 多い | 相対的に少なめ |
GCP・Azure側のキャリアの詳細は クラウドエンジニア(GCP/Azure)|AWS以外の選択肢 も参考にしてください。
資格体系と受験料の比較(レベル別)
| レベル | AWS | Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 入門 | Cloud Practitioner(CLF)15,000円 | AZ-900 Fundamentals 12,980円(税込) | Cloud Digital Leader 99ドル |
| アソシエイト | Solutions Architect Associate(SAA-C03)等 20,000円 | AZ-104(管理者)/AZ-204(開発)21,103円 | Associate Cloud Engineer 125ドル |
| 上位(Professional/Expert) | Solutions Architect Professional 等 40,000円 | AZ-305(アーキテクト)/AZ-400(DevOps)21,103円 | Professional Cloud Architect 等 200ドル |
| 専門 | Security・Machine Learning 等 Specialty 40,000円 | AZ-500(セキュリティ)/AI-102(AI)21,103円 | Professional Data Engineer 等 200ドル |
AWSの受験料は2024年4月改定後の日本国内価格(税別)、Azureは日本の目安価格、Google Cloudは米ドル建てです。受験料・試験体系は改定されるため、AWS公式・Microsoft Learn・Google Cloud公式 で最新情報を必ず確認してください。
認定の有効期限と更新
- AWS: 3年。再認定試験が必要
- Azure: 1年。ただし 無料のオンライン更新試験 があり、更新負担は3社で最も軽い
- Google Cloud: 2年(Cloud Digital Leaderのみ3年)。再受験が必要
学習ルート(未経験〜経験者)
- 公式の無料教材で基礎固め: AWS Skill Builder / Microsoft Learn / Google Cloud Skills Boost はいずれも無料コースが充実(Microsoft Learnは日本語対応が手厚い)
- 入門資格を取得: CLF / AZ-900 / Cloud Digital Leader のいずれか。用語と全体像が身につく
- 無料利用枠でハンズオン: 3社とも無料枠があり、仮想サーバー構築などを実際に手を動かして経験する
- アソシエイト資格へ: SAA-C03 / AZ-104 / Associate Cloud Engineer。転職市場で評価されやすいのはこの層から
学習時間は、各種対策講座が想定する標準で 入門30〜50時間、アソシエイト80〜150時間、上位レベル200時間以上 が目安です(IT経験の有無で大きく変動します)。
学習リソースの選び方
- 公式無料教材: まずここから。AWS Skill Builder・Microsoft Learn・Google Cloud Skills Boost は試験範囲に沿った公式カリキュラムを無料で提供
- 動画講座(Udemy等): セール時は数千円程度で購入でき、日本語のハンズオン付き講座が豊富。独学の主力になりやすい
- 模擬試験: 各社の公式練習問題に加え、TutorialsDojo などの模擬試験で本番形式に慣れてから受験すると合格率が上がりやすい
- スクール・通信講座: 独学で挫折しがちな人や、質問できる環境・学習ペース管理が欲しい人向け。給付金対象コースなら実質負担を下げられる
働きながらの学習では「毎日短時間でも公式教材+週末にハンズオン」のように、インプットと実機演習を分けて習慣化すると継続しやすくなります。
どれから始めるか:タイプ別の結論
求人の裾野で選ぶなら → AWS(SAA-C03)
国内利用率が最も高く(MM総研調査でIaaS利用企業の54.7%)、案件・教材・日本語情報の量で有利。迷ったらまずここです。
勤務先・志望先がMicrosoft環境なら → Azure(AZ-900 → AZ-104)
Microsoft 365やEntra ID(旧Azure AD)を使う大企業・SIer・官公庁系では、Azureスキルがそのまま業務に直結します。更新負担が軽い点も社会人向きです。
データ分析・AIを軸にするなら → Google Cloud(ACE → Professional Data Engineer)
BigQueryやVertex AIなどデータ・AI基盤に強み。成長率は3社で最も高く(前年比+63%・Synergy調査)、データ職との相性が良い選択です。
IT未経験なら → まず入門資格
CLF / AZ-900 / Cloud Digital Leader は前提知識なしで挑戦できます。受験料と日本語教材の充実度からは AZ-900 か CLF が始めやすい選択肢です。
2社目以降は マルチクラウド(例: AWS+Azure) の組み合わせが、1社のみの人材との差別化になります。
教育訓練給付金の活用
クラウド資格の対策講座には 一般教育訓練給付金(受講費用の20%・上限10万円をハローワークから支給)の対象コースがあります。対象講座かどうかは 厚生労働省の検索システム で受講前に必ず確認してください。
まとめ
2026年のクラウド市場は、世界シェアでAWS 28%・Azure 21%・Google Cloud 14%(Synergy調査)、国内企業のクラウド利用率は80.6%(総務省)と、学ぶ価値が高い状況が続いています。求人の裾野ならAWS SAA-C03、Microsoft環境ならAZ-104、データ・AI志向ならGoogle Cloudという軸で1社目を決め、公式無料教材→入門資格→ハンズオン→アソシエイトの順に進めるのが着実なルートです。
※ シェア・受験料・試験体系は変動します。受験前に各社公式サイトで最新情報をご確認ください。

