ゴールドマンとモルスタは「アグレッシブのGS」か「洗練のMS」か
外資投資銀行(外銀)の双璧、ゴールドマン・サックス(GS)とモルガン・スタンレー(MS)。アグレッシブで成果主義色の濃いGS、チームワークと洗練された社風のMSという対比がよく語られます。当サイトの就職偏差値はGSが74、MSが72で、どちらも最難関です。本記事では、両社の公式サイトで確かめられる事実(日本での会社のかたち・募集部門・選考の流れ)を中心に比べていきます。
就職難易度・年収の比較
| 項目 | ゴールドマン・サックス | モルガン・スタンレー |
|---|---|---|
| 就職偏差値 | 74 | 72 |
| 日本での主な会社 | ゴールドマン・サックス証券 | モルガン・スタンレーMUFG証券/三菱UFJモルガン・スタンレー証券(MUFGとの合弁の二社体制) |
| 投資銀行業務(M&A助言・引受け)の担い手 | ゴールドマン・サックス証券の投資銀行部門 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券に集約 |
| 新卒の募集部門(公式) | コントローラーズ/エンジニアリング/証券/投資調査/投資銀行/オペレーションズ(東京・シンガポール)。部門別採用で併願可 | 公式サイトで新卒の募集要項は確認できず |
| 平均年収の公表値 | なし(有価証券報告書を出していない) | なし(有価証券報告書を出していない) |
※就職偏差値は当サイトの目安(公開情報をもとにした編集部の推計)。会社のかたちと募集部門は、モルガン・スタンレー日本法人の会社情報ページ「日本における証券合弁事業」「日本の会社構成」と、ゴールドマン・サックスの「2028年卒 新卒採用情報」(いずれも2026年10月16日に確認)の記載です。年収は公表された数字がないため載せていません。
日本での会社のかたちがまったく違う
2社を比べるとき、意外と知られていないのが日本での会社のかたちです。ゴールドマン・サックスは日本でもゴールドマン・サックス証券が投資銀行部門を持っています。いっぽうモルガン・スタンレーは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と2010年5月に証券の合弁事業を始め、「モルガン・スタンレーMUFG証券」と「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」の二社体制をとっています。
公式ページによると、投資銀行業務は三菱UFJモルガン・スタンレー証券に集約していて、モルガン・スタンレーMUFG証券は債券・株式のセールス&トレーディング、資本市場業務、リサーチなどを担っています。モルガン・スタンレーMUFG証券の議決権はモルガン・スタンレーが51%、MUFGが49%(経済的な出資の割合は40%対60%)で、モルガン・スタンレーの連結子会社です。日本では1970年に東京に駐在員事務所を開いたのが始まりです。
就活でこれが効いてくるのは、「モルガン・スタンレーでM&Aの仕事がしたい」と考えたときです。日本でその仕事を担うのは合弁の三菱UFJモルガン・スタンレー証券なので、どの会社のどのコースの募集なのかを、エントリーの前に必ず確かめておきたいところです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に、正社員の月平均の残業時間22.9時間・有給休暇の取得率85.0%を公表しています(2026年10月16日更新のデータ)。ゴールドマン・サックス証券とモルガン・スタンレーMUFG証券については、同じサイトで公表値を確認できませんでした。
ゴールドマン・サックスの選考(2028年卒・公式)
ゴールドマン・サックスは、2028年卒の本選考の流れを公式ページで細かく出しています。①マイページ登録 → ②応募部門を選んで本エントリーシート提出(締切は2026年11月5日23:59)→ ③SPIのテスト受検 → ④録画形式のウェブ面接 → ⑤部門ごとの面接、の5段階です。
おもしろいのは④のウェブ面接で、ソフトスキルを試す質問に加えて、応募した部門ごとの質問が出され、1問2分以内で答える形(全体で約20分)と書かれています。テストはSPIで、受検期間の延長はできないとも明記されています。部門別の採用で併願もできるので、投資銀行部門だけでなく、証券部門や投資調査部門、エンジニアリングまで視野に入れて部門を選ぶのが現実的です。
カルチャー・選考の違い
| 項目 | ゴールドマン・サックス | モルガン・スタンレー |
|---|---|---|
| カルチャー | アグレッシブ・成果主義・スピード | チームワーク・洗練・協調 |
| 強い領域 | M&Aアドバイザリー・トレーディング | M&Aアドバイザリー・富裕層ビジネス(MUFG提携) |
| 選考 | SPI → 録画面接(1問2分以内) → 部門ごとの面接(公式) | 投資銀行業務は合弁の三菱UFJモルガン・スタンレー証券が担うため、どの会社の募集かを確認 |
| 出口 | PEファンド・ヘッジファンド・起業 | PEファンド・事業会社経営幹部 |
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 成果主義×スピード×圧倒的ブランド | ゴールドマン・サックス |
| チームワーク×洗練×日系との協業(MUFG) | モルガン・スタンレー |
部門選びが「どっち」より重要
外銀は同じ会社でも部門(IBD/マーケッツ/リサーチ/アセットマネジメント)で仕事・年収・生活が別世界です。IBDはM&A案件で激務高給、マーケッツは市場が閉まれば帰れる代わりに相場責任、リサーチは専門性重視。会社ブランドで選ぶ前に「どの部門で何をしたいか」を固めるほうが、志望動機の説得力も跳ね上がります。
結論として、両社は最高峰で「優劣」より「カルチャーと部門の相性」で選ぶのが正解です。選考はサマージョブ(3年生夏)が実質本選考のため、2〜3年生からの英語力・フェルミ推定・財務知識の準備が必須です。外資IB全体の比較は外資コンサルvs外資投資銀行、外資就活の全体戦略は外資就活完全ガイドもご覧ください。
この記事のデータの出典
- ゴールドマン・サックス「2028年卒 新卒採用情報」(公式ページ・2026年10月16日確認)
- モルガン・スタンレー日本法人「日本における証券合弁事業」「日本の会社構成」(2026年10月16日確認)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成

