証券業界は「外資IB・国内大手・採用区分」で就職難易度が大きく分かれる
証券・投資銀行業界の就職難易度は、外資系投資銀行(IB)が最難関、国内大手証券がそれに続く構図です。さらに国内大手では同じ会社でも「IBD(投資銀行部門)」「マーケット部門」「リテール(営業)」で難易度が大きく異なります。
先に答えると、当サイトの就職偏差値(目安)ではゴールドマン・サックス74を筆頭に外資IBが71〜74、国内大手証券は会社全体で62〜65の帯です(野村證券65・みずほ証券65・三菱UFJモルガン・スタンレー証券64・大和証券62・SMBC日興証券62)。国内大手でも、投資銀行部門は「インベストメント・バンキングコース」「IBコース」のように別のコースで募集されていて、入口から分かれています。本記事では、各社の公式採用ページ・厚生労働省の公表データ・当サイトの就職偏差値をもとに、主要証券・IBの就職難易度を就職偏差値・初任給・採用区分の3軸で整理します。
この記事は証券会社に絞った解説です。銀行・保険も含めた金融業界全体の順位は、金融業界の就職偏差値ランキング(全社一覧)で確認できます。
証券・投資銀行 就職偏差値ランキング
下表は主要各社の就職偏差値と、公式採用ページに載っている大卒の初任給です。外資IBが就職偏差値68〜74で上位を占め、国内大手は62〜65に並びます。
| 企業 | 区分 | 就職偏差値 | 大卒の初任給(公式) |
|---|---|---|---|
| ゴールドマン・サックス | 外資IB | 74 | — |
| モルガン・スタンレー | 外資IB | 72 | — |
| バークレイズ証券 | 外資IB | 72 | — |
| JPモルガン証券 | 外資IB | 71 | — |
| HSBC証券 | 外資IB | 70 | — |
| シティグループ証券 | 外資IB | 69 | — |
| UBS証券 | 外資IB | 68 | — |
| 野村證券 | 国内大手 | 65 | ウェルス・マネジメントコース300,000円(IBなどのコースは当社規定) |
| みずほ証券 | 国内大手 | 65 | — |
| 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 国内大手 | 64 | オープン(全域型)・IBコース310,000円(2027年度予定) |
| 大和証券 | 国内大手 | 62 | 総合職310,000円 |
| SMBC日興証券 | 国内大手 | 62 | — |
| SBI証券 | ネット証券 | 62 | 340,000円(年俸制・2025年4月実績) |
※就職偏差値は当サイトのデータ(公開情報をもとにした目安)。初任給は各社の公式採用ページ(2026年10月12〜16日取得)の月給で、「—」は公式ページで額を確認できなかった会社です。外資IBの日本法人は給与を公式ページで公表しておらず、有価証券報告書もないため、当サイトでは年収を載せていません。
採用区分で難易度・キャリアが激変する
国内大手証券は採用区分を見極めることが最重要です。同じ野村でもIBD(M&A・資金調達)とリテール営業では難易度も働き方も全く異なります。
| 部門 | 主な仕事 | 難易度 | 働き方 |
|---|---|---|---|
| IBD(投資銀行) | M&A・資金調達アドバイザリー | 最難関 | 激務・高年収 |
| マーケット(S&T) | トレーディング・セールス | 難関 | 市場連動・専門性 |
| リサーチ | アナリスト・調査 | 難関 | 専門特化 |
| リテール | 個人・法人営業 | やや難 | 数字目標・転勤あり |
公式の募集コースで見る「部門別採用」
「採用区分で難易度が変わる」は、公式の募集要項にそのまま表れています。主な会社のコースを並べました。
- 野村證券:ウェルス・マネジメント(エリア限定を含む)、インベストメント・バンキング、グローバル・マーケッツ、コンテンツ・カンパニー(リサーチ)、IT・デジタル、リスク・マネジメント、コーポレートの8コース
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券:オープン(全域型・地域型)、IBコース、システムコース、アソシエイトコース。IBコースは院了で320,000円
- 大和証券:総合職、総合職エキスパート・コース、広域エリア総合職、エリア総合職、カスタマーサービス職。エキスパート・コースは月520,000円〜(30時間分の残業代を含む額)
- UBS証券:グローバル・バンキング(投資銀行本部)、グローバル・マーケッツ(株式本部・債券本部)、ウェルス・マネジメント
- シティグループ証券:市場部門、投資銀行部門、調査本部
※各社の公式採用ページ(2026年10月12〜16日取得)。
国内大手の多くは、投資銀行の仕事をしたい人向けのコースを最初から分けています。大和証券のエキスパート・コースのように、初任給の体系そのものが別になっているコースもあります。「どの会社に入るか」と同じくらい「どのコースで応募するか」で、入社後の仕事と難しさが決まるということです。
外資IBは選考の時期が早い
外資IBの日程は、国内の就活スケジュールよりかなり前に動きます。シティグループ証券の新卒採用案内では、2028年卒の国内本選考(フルタイムアナリスト)の応募締切が、市場部門・投資銀行部門は10月15日、調査本部は11月9日でした。ゴールドマン・サックスは、マイページ登録→応募部門の選択とエントリーシート→テスト→録画形式のウェブ面接→面接、という5つのステップを公式ページで案内しています。大学3年生の秋には本選考の締切が来る、と考えておくのが安全です。
働き方の公表値と、判定で見た各社
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、国内大手の月平均の残業時間が、大和証券8.9時間(正社員・2025年度)、SMBC日興証券12.6時間(正社員)、野村證券13.0時間(総合職・嘱託社員)、みずほ証券21.9時間(正社員)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券22.9時間(正社員)と公表されています(2026年10月16日更新のデータを加工)。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は有給休暇の取得率85.0%(リフレッシュ休暇を含む)も公表しています。金融業,保険業でフルタイムで働く人の平均は月13.6時間(毎月勤労統計調査・2025年)なので、大和・SMBC日興・野村は平均並みかそれより短く、みずほ証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券は長めです。
当サイトの就活判定(経験の加点なし)では、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン証券は大学群の目安の1〜2段目でも「対策次第」、3段目で「挑戦枠」、4段目から「かなりの背伸び」でした。国内大手は野村證券とみずほ証券が4段目「対策次第」・5段目から「挑戦枠」、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・大和証券・SMBC日興証券・SBI証券は6段目まで「対策次第」です。文系・理系の差はありませんでした。外資IBを受けるなら、国内大手を併願の軸に置くと全体の見通しが立てやすくなります。
選考対策と狙い目
外資IBは3年生サマーインターンが実質本選考で、英語力・財務知識・ケース/技術面接対策PRが必須です。国内大手はOB訪問PRとジョブ型インターンの早期ルートが通過率を大きく左右します。「証券で働きたいが激務は避けたい」なら、リテール総合職や信託・アセマネ系も選択肢です。
外資IBと外資コンサルの比較は外資コンサルvs外資投資銀行、国内証券3社の年収比較は証券大手3社の年収比較で深掘りできます。金融業界全体は金融業界の就職偏差値ランキングで確認してください。日系大手の直接対決はみずほ証券vs三菱UFJモルガン・スタンレー証券で詳しく比較しています。
この記事のデータの出典
- 各社の公式採用ページ(2026年10月12〜16日取得)、シティグループ証券「シティ・ジャパン新卒採用情報」
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」
- 当サイトの就職偏差値データ・就活判定(/tools/hantei)

