監査法人・FASは「会計の専門性」で勝負する高年収キャリア
BIG4を中核とする監査法人とFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、会計・財務の専門性で勝負する高年収キャリアです。監査法人は公認会計士が中心、FASはM&A・企業価値評価などを担い新卒・中途で多様な人材を採用します。本記事では公開情報をもとに就職難易度を整理します。
監査法人・FAS 就職偏差値ランキング
当サイトに掲載している会計・M&A系の会社を、就職偏差値の高い順に並べました。右の列は、確かめられた公表データです。
| 企業 | 就職偏差値 | 区分 | 確かめられる公表データ |
|---|---|---|---|
| フーリハン・ローキー | 72 | M&Aアドバイザリー(外資) | 新卒向けはintern/Financial Analyst/Associateの区分(公式) |
| デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー | 67 | FAS(BIG4) | — |
| KPMG FAS | 67 | FAS(BIG4) | 新卒の基本年俸600万円〜(固定残業手当50時間相当分を含む)・募集20〜25名(公式) |
| EY新日本有限責任監査法人 | 67 | 監査法人(BIG4) | — |
| 山田コンサルティンググループ | 61 | 独立系(M&A・事業承継) | 平均年収975万円(2026年3月期・有報)・平均38.1歳・勤続7.2年 |
※就職偏差値は当サイトの目安(公開情報をもとにした編集部の推計)。公表データは各社の公式採用ページ(2026年10月12日取得)と有価証券報告書です。監査法人は公認会計士試験合格者の採用が中心で、合格が実質的な入口になります。
監査法人の入口=公認会計士試験の数字
監査法人を目指すなら、まず見ておきたいのが公認会計士試験の数字です。金融庁(公認会計士・監査審査会)が公表した令和7年(2025年)試験の結果を並べました。
| 項目 | 令和7年試験 | 令和6年試験 |
|---|---|---|
| 出願者数 | 22,056人 | 21,573人 |
| 短答式試験の合格者数 | 2,409人 | 2,345人 |
| 論文式試験の受験者数 | 4,665人 | 4,354人 |
| 最終合格者数 | 1,636人 | 1,603人 |
| 最終合格率(合格者÷出願者) | 7.4% | 7.4% |
※金融庁・公認会計士・監査審査会「令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について」。
出願者の約13人に1人しか最終合格できない試験です。合格者の平均年齢は24.6歳で、「学生」と「専修学校・各種学校受講生」が999人と全体の61.1%を占めます。会社員は89人(5.4%)でした。つまり合格者の6割は、学生のうちに受かっている計算です。大学生のあいだに合格して監査法人に入る、というのがいちばん多い道だと数字が示しています。女性の合格者は392人で、比率は24.0%でした。
FASの新卒採用を公式の数字で見る(KPMG FAS)
FASは会計士でなくても新卒で入れる入口があります。KPMG FASの公式採用ページでは、国内大卒向けにM&A・戦略コンサルタント職を募集していて、総募集人数は国内・海外・会計士採用を合わせて20〜25名です。待遇は基本年俸600万円〜で、固定残業手当50時間相当分を含み、超えた分は別に支払うと書かれています。勤務地は東京事務所です。
選考はエントリーシート、適性テスト、面接等の順で、2028年卒向けの夏期選考のエントリー締切は2026年6月30日でした。選考の一環として2日間のサマージョブを8月と9月に開くと案内されていて、冬期の本選考は2026年秋ごろに受付を始める予定です。夏と冬の2回に分けて受けられる形なので、夏に間に合わなかった人にも次の入口があります。
事業承継・中堅企業コンサルに強い山田コンサルティンググループも、FAS併願層が検討することの多い独立系です。
監査法人とFASの違い
| 項目 | 監査法人 | FAS |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 会計監査・保証業務 | M&A・企業価値評価・再生 |
| 会計士資格 | 必須(中心) | 必須でない職種も |
| 新卒採用 | 会計士合格者中心 | 新卒総合職もあり |
| キャリア | 会計士→FAS・事業会社CFO等 | FAS→PEファンド・事業会社 |
働き方の公表値と、業種の平均
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、BIG4の一部が働き方の数字を公表しています。有限責任監査法人トーマツは正社員の月平均の残業時間が20.6時間(従業員6,377人)、デロイト トーマツ税理士法人は24.5時間、合同会社デロイト トーマツは11.5時間、EYのグループ会社を束ねるEYACCホールディングス合同会社は基幹的な職種で14.9時間でした(2026年10月16日更新のデータを加工)。
監査法人や会計事務所、コンサルティング会社が入る学術研究,専門・技術サービス業の平均は、フルタイムで月14.2時間の残業(毎月勤労統計調査・2025年)、有給休暇の取得率66.8%(令和7年就労条件総合調査)、大卒の3年以内離職率33.9%(2022年3月卒)です。トーマツの20.6時間はこの平均より長く、決算期に監査の仕事が集まる業務の性格も考えると、時期による忙しさの波は覚悟しておきたいところです。
会計キャリアの狙い方
監査法人を目指すなら公認会計士試験の合格が実質的な入口で、在学中の合格者は引く手あまたです。FASは会計士に加え、新卒総合職や財務・分析に強い人材も採用します。会計士は安定資格でありながら、監査→FAS→PEファンド→事業会社CFOと高年収キャリアに広がる点が魅力。資格と専門性で勝負したい人に向く世界です。会計士を目指さない場合も、FASの新卒採用や、コンサル経由でのキャリアという道があります。
会計資格の比較は公認会計士・USCPA・税理士の比較、コンサルは外資コンサル就職難易度もご覧ください。
この記事のデータの出典
- 金融庁・公認会計士・監査審査会「令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について」
- KPMG FAS・フーリハン・ローキーの公式採用ページ(2026年10月12日取得)、山田コンサルティンググループの有価証券報告書(2026年3月期)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」「令和7年就労条件総合調査」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

