メガバンク3行の給料はほぼ横並び、差は「コース」と「出世」で出る
三菱UFJ銀行(MUFG)・三井住友銀行(SMBC)・みずほ銀行の3行は、給与の水準がほぼ横並びです。有価証券報告書の平均年収は870.1万〜933.8万円の範囲に収まり、差は60万円ほどしかありません。では何で差がつくのか——答えは「採用コース(総合職/特定総合職/専門職)」と「支店長・本部長クラスへの出世スピード」です。本記事では3行の年収・コース制度・出世・激務度・近年の構造改革を対決形式で整理します。
初任給と平均年収(公式・有価証券報告書)
大卒の初任給は、公式採用ページで確認できる2行がどちらも月300,000円です。平均年収は有価証券報告書の数字で並べました。
| 項目 | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 |
|---|---|---|---|
| 初任給(大卒・公式) | 300,000円(シニアライフプラン支援金30,000円を含む) | 300,000円(オペレーション・プロフェッショナルコースは250,000円) | — |
| 平均年収(有報) | 914.3万円 | 933.8万円 | 870.1万円 |
| 平均年齢 | 40.1歳 | 41.2歳 | 40.7歳 |
| 平均勤続年数 | 15.8年 | 17.5年 | 16.3年 |
| 従業員(単体) | 31,691人 | 28,030人 | 23,356人 |
※初任給は各行の公式採用ページ(2026年10月12日取得)。みずほ銀行はグループの採用サイトで案内していて、当サイトでは額を取得できていません。平均年収などは各行の有価証券報告書(2026年3月期・提出会社単体)。年齢別・役職別の年収は公表されていないため、根拠のない目安は載せていません。
平均年齢は3行とも40〜41歳でそろっているので、平均年収の差はそのまま給与水準の差に近いと考えられます。いちばん高い三井住友銀行といちばん低いみずほ銀行の差は63.7万円でした。
採用コースで変わる仕事と処遇
メガバンクでは採用コースによって、担う仕事と処遇の上がり方が変わります。全国転勤型の「総合職(基幹職)」、エリア限定の「特定総合職」、専門性で採用される「専門職(市場・IB・デジタル等)」などです。公式採用ページを見ると、三菱UFJ銀行はオープン・システム・デジタル・グローバル・マーケッツなど8つの職種別、三井住友銀行はGlobal Banking・クオンツ・データサイエンス・サイバーセキュリティなど10コースで募集しています。三井住友銀行の初任給はコースで差があり、オペレーション・プロフェッショナルコースは250,000円です。
有価証券報告書で見る、3位みずほの4年
| 項目(連結) | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 |
|---|---|---|---|
| 純利益 2026年3月期 | 1兆5,363億円 | 1兆3,972億円 | 1兆335億円 |
| 2022年3月期からの伸び | 3.05倍 | 2.46倍 | 3.20倍 |
| ROE 2026年3月期 | 10.8% | 12.0% | 11.7% |
| 連結従業員 | 122,102人 | 71,100人 | 33,175人 |
※各行の有価証券報告書(連結の経営指標の推移)。伸びは当サイトで計算しました。
規模の序列は今も「三菱UFJ・三井住友・みずほ」の順ですが、4年間の伸び方で見ると、純利益がいちばん大きく伸びたのは3.20倍のみずほ銀行でした。ROEも11.7%と、三井住友に次ぐ水準まで上がっています。連結の従業員は三菱UFJ銀行の4分の1ほどで、規模のわりに稼ぐ力を高めてきた4年間だったことが数字から分かります。
働き方の公表値と、判定で見た3行
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で公表されている正社員の月平均の残業時間は、三井住友銀行13.2時間、みずほ銀行20.1時間、三菱UFJ銀行21.3時間でした(2026年10月16日更新のデータを加工)。金融業,保険業でフルタイムで働く人の平均13.6時間(毎月勤労統計調査・2025年)と同じくらいなのは三井住友銀行だけで、2行は長めです。業界全体で見ると、大卒で入った人の3年以内の離職率は25.0%(2022年3月卒)と、全産業の33.8%より低めです。
当サイトの就活判定(経験の加点なし)では、3行とも大学群の目安の1〜3段目は「十分射程」でした。分かれるのは4段目からで、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は4段目から「挑戦枠」、みずほ銀行は4〜5段目が「対策次第」、6段目が「挑戦枠」です。偏差値64のみずほ銀行は、判定の帯が1つ下になるぶん、3行の中でいちばん入口が広く出ます。3行を併願するなら、この差を踏まえて準備の厚みを配分するのがおすすめです。
3行のカルチャー・強み・構造改革の対決表
給与が横並びだからこそ、カルチャーと事業の強み、そして近年の構造改革の方向性で選ぶことになります。
| 項目 | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 |
|---|---|---|---|
| 規模・序列 | 国内最大手 | 第2位・収益性高い | 第3位 |
| カルチャー | 組織型・安定志向 | 体育会的・営業力 | 穏やか・調整型 |
| 強み領域 | 海外・グローバル | 収益性・カードSMCC | 大企業取引・信託連携 |
| デジタル投資 | 積極的 | 非常に積極的 | 基幹刷新後に加速 |
※「規模・序列」は上の純利益の表にそろえています。「カルチャー」「デジタル投資」は編集部の見方で、数字で比べたものではありません。
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 海外でグローバルに働きたい | 三菱UFJ | 海外ネットワークが3行で最大、グローバル案件が豊富 |
| 収益性・成長力のある銀行が良い | 三井住友 | 3行で収益性が高く、カード・決済など非銀行領域も強い |
| 大企業取引・信託連携に関心 | みずほ | 大企業との取引基盤と信託・証券の一体運営が強み |
| 体育会的な営業文化が合う | 三井住友 | 営業力重視のカルチャーで成果が評価されやすい |
| 穏やかな調整型の文化が合う | みずほ | 調整型の社風だというのが編集部の見方。判定の入口も3行でいちばん広い |
メガバンク3行は給与の差がほとんどないため、3行を併願するなら、カルチャーと事業の強みで志望順位を決めましょう。2社サイドバイサイド比較ツールで働き方を確認し、金融業界の就職偏差値ランキングで自分の現在地を把握してください。
この記事のデータの出典
- 三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の有価証券報告書(2026年3月期・金融庁 EDINET)
- 三菱UFJ銀行・三井住友銀行の公式採用ページ(2026年10月12日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
- 当サイトの就活判定(/tools/hantei)
訂正(2026年10月22日):この記事の以前の版では、紹介文で「30代年収」を比べると書いていました。3行とも年齢別の年収は公表しておらず、この記事に載せているのは有価証券報告書の平均年収(社員全体の平均)のため、紹介文を直しました。あわせて、根拠を示せない「採用コースの違いが生涯年収を分ける」「年収を最も左右する」という見出しと説明を改めました。

