KDDIとソフトバンクは「堅実な総合力」か「投資とスピード」か
通信キャリアの2番手・3番手を争うKDDI(au)とソフトバンク。通信×金融×エネルギーの生活総合サービスへ堅実に広げるKDDI、投資会社的な発想でAI・新規事業に大きく張るソフトバンクという対比がよく語られます。どちらも就職偏差値60台前半の人気企業です。本記事では公開情報・就職四季報をもとに5軸で比較します。
就職難易度・年収の比較
| 項目 | KDDI | ソフトバンク |
|---|---|---|
| 就職偏差値 | 63 | 62 |
| 平均年収(有報・2026年3月期) | 1,051.1万円 | 871.3万円 |
| 初任給(大卒・公式) | 公式ページで取得できず | 月給306,000円〜(2026年度見込み) |
| 新卒の募集のしかた(公式) | 職種別(ネットワークインフラエンジニア、ソリューションエンジニア、ITエンジニア、データサイエンス、セキュリティ、法人営業など) | 総合職 総合コース(全国・海外転勤あり) |
※就職偏差値は当サイトの目安。平均年収は有価証券報告書の提出会社単体の平均。初任給・募集のしかたは各社の公式採用ページ(2026年10月12日取得)の記載で、ソフトバンクの初任給は営業職に支給するインセンティブを除く金額です。採用人数は2社とも公式ページで確認できなかったため載せていません。
有価証券報告書で見る2社の大きさとお金の使い方
平均年収の差は180万円ほどあります。ただ、2社の有価証券報告書を並べると、会社の中身もけっこう違うことが分かります。
| 項目 | KDDI | ソフトバンク |
|---|---|---|
| 売上(連結・2026年3月期) | 6兆719億円 | 7兆387億円 |
| 売上(連結・2022年3月期) | 5兆4,467億円 | 5兆6,906億円 |
| 純利益(連結・2026年3月期) | 7,071億円 | 5,508億円 |
| 設備投資 | 6,837億円 | 7,453億円 |
| 研究開発費 | 400億円 | 968億円 |
| 自己資本比率 | 26.6% | 16.0% |
| 従業員数(提出会社/連結) | 9,891人/73,198人 | 19,150人/58,432人 |
| 平均年齢・平均勤続年数 | 42.3歳・16.4年 | 42.0歳・14.8年 |
※各社の有価証券報告書(2026年3月期・IFRS・金融庁 EDINET)。
売上はソフトバンクが7兆円を超えてKDDIを上回り、5年前からの伸びもソフトバンクが約1.24倍、KDDIが約1.11倍とソフトバンクが大きくなっています。いっぽう純利益はKDDIが7,071億円で、ソフトバンクの5,508億円より1,500億円ほど多い形です。研究開発費はソフトバンクがKDDIの2倍以上をかけていて、AIなど新しい領域にお金を張る姿勢が数字にも出ています。
もうひとつ面白いのが社員数です。提出会社(単体)の社員はソフトバンクが19,150人と、KDDIの9,891人のほぼ2倍います。平均年収は単体の平均なので、どんな仕事の人が単体に何人いるかで数字は変わります。年収の差だけで「待遇の良し悪し」を決めないほうがいい理由が、ここにあります。なお、ソフトバンクの親会社はソフトバンクグループです(同社の有価証券報告書より)。
選考の流れと働き方の公表値
ソフトバンクの公式の流れは「プレエントリー → エントリーシート・履歴書情報の登録と適性検査など → 面接(複数回) → 内定」です。KDDIは職種ごとの募集で、ネットワークやITのエンジニア職のほか、法人営業(アカウントコンサル)や財務・法務の専門職まで細かく分かれています。KDDIの勤務地は東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・博多など、ソフトバンクは全国・海外転勤ありと明記しています。
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」の公表値では、月平均の残業時間はKDDIが16.2時間(総合職・地域営業社員・契約社員などの合計)、ソフトバンクが22.3時間(対象とする労働者すべて)で、ソフトバンクは有給休暇の取得率78.3%も公表しています。情報通信業の平均(フルタイムで月16.5時間・厚生労働省「毎月勤労統計調査」2025年)と比べると、KDDIは平均並み、ソフトバンクはやや長めです。
※出典:職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成。
当サイトの就活判定(加点なし)では、2社の判定は同じでした。大学群1〜4段目は文理とも「十分射程」、5〜6段目は「対策次第」です。偏差値の1ポイント差より、職種別で受けるKDDIか、総合コースで受けるソフトバンクか、という入口の違いのほうが準備の中身を大きく変えます。
カルチャー・事業戦略の違い
| 項目 | KDDI | ソフトバンク |
|---|---|---|
| カルチャー | 堅実・チーム重視・KDDIフィロソフィ | スピード・成果主義・挑戦を推奨 |
| 事業の広げ方 | 通信×金融×エネルギー×DX(生活総合) | 通信×AI×投資(グループでAI企業群) |
| 評価・昇進 | 安定的・着実にステップアップ | 成果次第で早い抜擢・社内公募が活発 |
| 働き方 | リモート・フレックス整備 | リモート・フレックス整備・副業可 |
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 堅実な総合力×高水準の安定待遇 | KDDI |
| スピード×挑戦×AI・新規事業への張り | ソフトバンク |
「通信の先」をどう描くかで選ぶ
国内通信は飽和しており、両社の成長ストーリーは非通信領域にあります。KDDIは金融(auじぶん銀行・auカブコム)やエネルギー、DX支援を積み上げる堅実路線。ソフトバンクはAIデータセンターや生成AIPR関連への大型投資などトップダウンの大胆な張りが特徴です。志望動機では「どの非通信領域で何をしたいか」まで踏み込むと、他の就活生と差がつきます。
結論として、待遇はKDDIがやや上、変化とスピードはソフトバンク。安定的にキャリアを積むならKDDI、抜擢や新規事業を狙うならソフトバンクが向いています。NTTとの比較はNTTvsKDDI どっち、通信3社の年収比較は通信キャリア3社 年収比較もご覧ください。
この記事のデータの出典
- KDDI・ソフトバンクの有価証券報告書(2026年3月期・金融庁 EDINET)
- 各社の公式採用ページ(2026年10月12日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」

