結論を3点先に。①就職難易度は当サイトの就職偏差値(公開情報をもとにした目安)で三菱商事70・伊藤忠商事69。511社データの最上位帯にほぼ横並びで、実質的には「どちらも国内最難関クラス」です。②平均年収は最新の有価証券報告書ベースで三菱商事2,112万円(平均年齢42.3歳)・伊藤忠商事1,991万円(同42.0歳)。前期(2025年3月期)の2,033万円・1,805万円からどちらも上がり、両社とも平均2,000万円前後という総合商社トップ水準です。③事業の重心が対照的で、三菱商事はエネルギー・資源から食料まで全方位のビジネスを世界90カ国以上で展開する日本最大の総合商社、伊藤忠商事は繊維・食料・流通・デジタルなど消費者に近い「非資源」ビジネスの強さで利益を伸ばしてきた商社です。「資源・インフラのスケールで働きたいなら三菱商事、消費者ビジネスと働き方のバランス重視なら伊藤忠商事」が編集部の目安です。
三菱商事と伊藤忠商事の比較表(確認できた情報ベース)
平均年収・平均年齢・単体従業員数は有価証券報告書ベースの公開値(Yahoo!ファイナンス企業情報で確認、確認日: 2026年8月5日)です。就職偏差値と想定年収レンジは当サイトの就職偏差値ランキング収載データ(公開情報をもとにした目安)です。
| 項目 | 三菱商事 | 伊藤忠商事 |
|---|---|---|
| 就職偏差値(当サイト目安) | 70 | 69 |
| 平均年収(有報ベース) | 2,112万円 | 1,991万円 |
| 前期比較(2025年3月期) | 2,033万円 | 1,805万円 |
| 平均年齢 | 42.3歳 | 42.0歳 |
| 単体従業員数 | 5,328人 | 4,125人 |
| 初任給(2025年入社) | 大卒34万円・修士37.5万円 | 公式サイト参照 |
| 事業の中心 | エネルギー・資源・食料など全方位 | 繊維・食料・流通・デジタルなど非資源 |
| 働き方の特徴 | 海外駐在ほぼ確実・転勤あり | 朝型勤務で残業少なめ・ハイブリッド |
事業と社風はどう違う?
三菱商事は日本最大の総合商社で、天然ガスや金属資源などの市況ビジネスから、食料・自動車・インフラまでポートフォリオの幅が最も広いタイプです。三菱商事の企業ページにまとめたとおり、キャリアの前提として海外駐在がほぼ確実で、事業投資の当事者として「経営を任される」働き方に近づいていきます。
伊藤忠商事は繊維商社をルーツに、ファミリーマートに代表される消費者接点のビジネスと非資源分野で利益を積み上げてきました。伊藤忠商事の企業ページにも記載のとおり、朝型勤務(早朝シフトで夜残業を減らす運用)を定着させた働き方改革でも知られ、五大商社の中では「生活消費に近く、働き方の規律が強い」個性があります。
年収推移で見る2社の違い
平均年収の推移を並べると、2社の事業構造の違いが数字に表れます。三菱商事は2024年3月期2,090万円→2025年3月期2,033万円→最新2,112万円と上下しており、天然ガス・金属資源など市況ビジネスの比率が高いぶん、業績連動の賞与が資源価格に揺さぶられやすい構造です。一方の伊藤忠商事は2025年3月期1,805万円→最新1,991万円と大きく伸びました。非資源が主力のため市況の追い風・向かい風を受けにくく、生活消費ビジネスの積み上げが給与に反映されやすいのが特徴です。
つまり「今年の平均年収がどちらが上か」は入社後の期待値としてはあまり意味がなく、賞与のブレ幅を含めて資源型(三菱商事)か非資源型(伊藤忠商事)かという構造で見るのが実態に近い比較です。どちらを選んでも総合商社の給与水準は511社ランキング全体の最上位圏にあります。
「商社はやめとけ・激務」は本当か?正直に答える
SNSでは今日も「総合商社の年収2,500万円」のような投稿が数万いいねを集めますが、平均年収の高さには裏側もあります。正直に整理します。
第一に、平均年収は市況で動きます。三菱商事の平均年収は2024年3月期2,090万円→2025年3月期2,033万円と資源市況の影響で下がった時期があり、その後の最新値で2,112万円に戻しています。「入社すれば右肩上がり」ではなく、賞与連動で年ごとに上下する給与構造です。第二に、平均値は42歳前後の数字です。20代のうちからこの水準に届くわけではありません。第三に、海外駐在・転勤・出向はキャリアの前提で、勤務地を選びにくい働き方が続きます。この3点を許容できるかが、憧れだけで受けるかどうかの分かれ目です。
どっちが向いている?チェックリスト
- 資源・エネルギーなど国家規模の事業に関わりたい → 三菱商事
- 海外駐在に迷いなく手を挙げられる → 三菱商事
- 食品・流通など生活に近いビジネスがしたい → 伊藤忠商事
- 朝型勤務など生活リズムを保てる働き方を重視 → 伊藤忠商事
- 年収は両社とも平均2,000万円前後で大差なし → 事業内容で選ぶのが正解
併願戦略:2社だけに絞らない
偏差値70・69は511社調査でも最上位帯で、どれだけ優秀でも運の要素が残る難易度です。五大商社は併願が基本で、専門商社まで視野を広げるのが定石です。総合商社の就職偏差値ランキング&就活ガイドで五大商社+専門商社9社の序列を、転職での入社難易度は五大商社の中途採用ハードル検証を参考にしてください。


