結論: 生命保険会社の就職偏差値は、主要12社で62〜66に収まります。4大生保では明治安田生命と住友生命が65、日本生命63・第一生命62と続き、4社の差は3ポイントほどです。ソニー生命は66と大手より高めですが、採用の仕組みが大手と異なります。公式の初任給は日本生命339,310円・明治安田生命331,910円と高く見えますが、どちらも固定の残業代を含んだ額です。同じ会社でも採用区分(総合職・エリア・アクチュアリー)で仕事と条件が大きく変わるのが生保就活の特徴です。
生保就活は「総合職・エリア・アクチュアリー」で就職難易度が分かれる
生命保険会社の就職難易度は採用区分で大きく異なります。全国転勤型の基幹職(総合職)や数理専門のアクチュアリー職は難関、エリア総合職や営業職は採用数が多く相対的に入りやすい構造です。生保は安定性・福利厚生・年収の高さで根強い人気があります。本記事では、各社の公式採用ページ・厚生労働省の公表データ・当サイトの就職偏差値をもとに、4大生保と外資系・損保系の就職難易度を整理します。
生命保険会社 就職偏差値ランキング
下表は主要生保12社の就職偏差値と、公式採用ページに載っている大学卒の初任給です。4大生保が中心で、ソニー生命など新興系も独自のポジションを持ちます。
| 企業 | 就職偏差値 | 初任給(公式・大卒) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ソニー生命 | 66 | 本社275,000円・代理店営業拠点305,000円 | ライフプランナー |
| 明治安田生命 | 65 | 331,910円(業務効率化加算給61,910円を含む) | 健康増進に注力 |
| 住友生命 | 65 | Gコース335,000円(固定残業代45,000円を含む) | Vitality展開 |
| 東京海上日動あんしん生命 | 65 | — | 損保系の生保 |
| プルデンシャル生命 | 64 | — | 外資系・本社勤務は東京と仙台 |
| アクサ生命 | 64 | 総合戦略コース405,000円・営業部門354,000円 | 外資系・通年採用 |
| 三井住友海上あいおい生命 | 64 | — | 損保系の生保 |
| 日本生命 | 63 | 339,310円(全国・グローバル型・固定残業代手当53,310円を含む) | 業界首位・安定 |
| アフラック生命 | 63 | — | 外資系 |
| マニュライフ生命 | 63 | — | 外資系 |
| 第一生命 | 62 | — | 株式会社化・グローバル |
| かんぽ生命 | 62 | — | 日本郵政グループ |
※就職偏差値は当サイトのデータ(公開情報をもとにした目安)。初任給は各社の公式採用ページ(2026年10月11〜16日取得)の大学卒の月給で、「—」は公式ページで額を確認できなかった会社です。日本生命・明治安田生命・住友生命は相互会社で有価証券報告書を出していないため、平均年収は載せていません。
損保系生保では東京海上日動あんしん生命が代表格で、生保専業とは異なるグループ基盤を持つ選択肢です。
採用区分の違いを理解する
生保就活で誤解されやすいのが「総合職」と「営業職」の違いです。新卒の総合職(基幹職)は企画・運用・法人営業・システムなどを担い、いわゆる生保レディ(営業職員)とは採用も待遇も全く別物です。
| 区分 | 主な仕事 | 難易度 | 勤務範囲 |
|---|---|---|---|
| 全国型基幹職(総合職) | 企画・運用・法人営業 | 難関 | 全国・海外 |
| アクチュアリー職 | 保険数理・商品設計 | 最難関 | 本社専門 |
| エリア基幹職 | 支社運営・事務企画 | やや難 | 地域限定 |
| 営業職員 | 個人向け保険営業 | 別体系 | 地域 |
初任給は「固定の残業代」を引いてから比べる
生保の初任給は33万円台が並んでいて、ほかの業界より高く見えます。ただ、公式の募集要項を読むと、多くの会社が一定時間分の残業代を最初から月給に含めています。含まれている額を引いて並べ直すと、見え方がかなり変わるんです。
| 会社・区分 | 公式の初任給 | うち固定の残業代など | 差し引いた額 |
|---|---|---|---|
| 住友生命 Gコース | 335,000円 | 45,000円 | 290,000円 |
| 日本生命 全国・グローバル型 | 339,310円 | 53,310円 | 286,000円 |
| 明治安田生命 | 331,910円 | 61,910円 | 270,000円 |
| 日本生命 エリア転勤型 | 315,580円 | 49,580円 | 266,000円 |
| 住友生命 Aコース | 300,000円 | 40,000円 | 260,000円 |
| 住友生命 Rコース | 277,000円 | 37,000円 | 240,000円 |
※各社の公式採用ページの初任給(日本生命は2026年度支給予定額、明治安田生命は2027年4月予定)から、募集要項に書かれた固定残業代・業務効率化加算給を引いた額。明治安田生命の加算給は約30時間分として支給され、超えた分は別に支払われます。
差し引くと、3社とも24万〜29万円の範囲に入ります。明治安田生命は見出しの額では日本生命との差が7,400円しかありませんが、含まれる加算給が大きいぶん、差し引いた額では1万6,000円の差になりました。いっぽうソニー生命の275,000円(本社)は、研修期間で超過勤務がない場合の額と書かれています。数字の出し方が会社ごとに違うので、初任給は募集要項の注記までセットで読むのが安全です。
公式の募集コースと採用人数
「総合職」とひとことで言っても、各社はかなり細かくコースを分けて募集しています。公式採用ページに書かれているコースを並べました。
- 日本生命:総合基幹職(オープン・アクチュアリー・資産運用・IT戦略・地域ビジネス)と、営業総合基幹職(マネジメント・総合コンサルティング)。インターンシップもこのコース別に行っています
- 第一生命:オープン・アクチュアリー・クオンツ&データサイエンティスト・建築・不動産・IT・デジタル・資産運用・海外・会計・税務・法務の9コース
- 明治安田生命:総合職(全国型)のcareer S・career V・アクチュアリー・システム・デジタルの4区分
- ソニー生命:総合職(本社スタッフと代理店営業)に、IT・アクチュアリーのコース別採用。採用人数は50〜100名程度
- 東京海上日動あんしん生命:総合職のオープン・営業・業務プロセスデザイン・コーポレート・アクチュアリー・ITの6コース。営業コースは15名程度
※各社の公式採用ページ(2026年10月11〜16日取得)。
公式ページで確認できた6社は、どこもアクチュアリーを独立したコースとして募集しています(プルデンシャル生命もIT・アクチュアリーの区分あり)。数学や統計を大学で学んだ人にとっては、総合職のオープンコースと並べて検討できる入口です。第一生命のように、建築・不動産や法務まで専門のコースを置く会社もあるので、専攻とつながるコースがないかを先に探しておくと、志望理由も組み立てやすくなります。
働き方の公表値:残業は短め、人数は桁違い
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で、各社が公表している数字です。
| 会社 | 月平均の残業時間(公表値) | 有給休暇の取得率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 三井住友海上あいおい生命 | 0.6時間(正社員) | — | 2,441人 |
| 住友生命 | 3.6時間(正社員) | 83.3% | 42,872人 |
| アクサ生命 | 6.0時間(内勤社員・営業社員) | — | 8,588人 |
| 第一生命 | 6.9時間(基幹的な職種) | 79.0% | 46,447人 |
| 日本生命 | 8.1時間(内勤職員) | — | 70,714人 |
| かんぽ生命 | 9.3時間(正社員) | — | 20,630人 |
| プルデンシャル生命 | 9.5時間(正社員) | — | 6,619人 |
| 明治安田生命 | 11.9時間(基幹的な職種) | — | 47,140人 |
| アフラック生命 | 13.4時間(全社員) | — | 4,356人 |
| ソニー生命 | 19.0時間(正社員・契約社員) | — | 9,747人 |
| マニュライフ生命 | 20.8時間(契約社員を含む) | 63.1% | 2,601人 |
※出典:職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成。残業は法定時間外労働と休日労働を合わせた月平均で、対象の範囲は各社の公表のとおり。「—」は公表値を確認できなかった項目です。
11社のうち7社が月10時間を切っていて、銀行やメーカーと比べても短い側です。金融業,保険業のフルタイムの平均は月13.6時間(毎月勤労統計調査・2025年)で、それより長いのはソニー生命とマニュライフ生命の2社だけでした。ただし対象が「内勤職員」「基幹的な職種」「全社員」と会社ごとに違うので、1〜2時間の差で順位をつけるのはおすすめしません。
従業員数は、日本生命の70,714人を先頭に、大手4社がそろって4万人を超えます。保険を案内する営業職員が従業員に含まれるためで、総合職の採用人数とは別物です。業界全体で見ると、金融業,保険業に大卒で就職した人の3年以内の離職率は25.0%(2022年3月卒)、有給休暇の取得率は72.8%(令和7年就労条件総合調査)で、どちらも全産業の平均(33.8%・66.9%)より働き続けやすい側の数字です。
就活判定で見た生保各社
当サイトの就活判定(経験の加点なし)で、大学群の目安(6段階)ごとに判定すると、偏差値の順番とは少し違う結果になりました。
| 会社 | 1〜3段目 | 4段目 | 5段目 | 6段目 |
|---|---|---|---|---|
| ソニー生命・明治安田生命・住友生命・東京海上日動あんしん生命 | 十分射程 | 挑戦枠 | 挑戦枠 | 挑戦枠 |
| アクサ生命 | 十分射程 | 対策次第 | 挑戦枠 | 挑戦枠 |
| 日本生命・第一生命 | 十分射程 | 対策次第 | 対策次第 | 挑戦枠 |
| かんぽ生命 | 十分射程 | 対策次第 | 対策次第 | 対策次第 |
偏差値65〜66の4社は4段目から「挑戦枠」になり、63の日本生命と62の第一生命は5段目まで「対策次第」です。判定では、生命保険の採用実績校の傾向を反映して4段目以下を少し厳しめに見る補正を入れていて、偏差値が65に届く会社ほどその影響がはっきり出ます。文系・理系で結果が変わる会社はありませんでした。大手の日本生命と第一生命が、かんぽ生命に次いで届きやすいグループに入っているのは、知っておくと併願の組み方が変わるポイントです。
生保業界の魅力と選び方
生保は安定性・福利厚生・運用規模の大きさが魅力で、機関投資家として巨額の資産運用を行う点も特徴です。数理が得意ならアクチュアリー(資格取得で高待遇)、運用に興味があるなら資産運用部門、コンサル型営業ならソニー生命のライフプランナーなど、志向で選ぶのが軸です。健康増進サービス(Vitality等)やデジタル化で事業モデルも進化しています。
生保と損保の比較は大手生保vs大手損保の比較、損保の難易度は損害保険会社の就職難易度、金融業界全体は金融業界の就職偏差値ランキングで確認できます。外資系生保ではアクサ生命保険も、国内生保とは異なる評価制度・働き方を求める層の選択肢になっています。損保系の生保では三井住友海上あいおい生命が、MS&ADグループの顧客基盤を活かした販売網に強みを持ちます。
この記事のデータの出典
- 各社の公式採用ページ・新卒採用の募集要項(2026年10月11〜16日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」「令和7年就労条件総合調査」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
- 当サイトの就職偏差値データ・就活判定(/tools/hantei)

