パソコンに向かう時間が長いと、目がしょぼしょぼする、ピントが合いにくい、と感じることがあります。本記事では、治療や視力回復の話ではなく、仕事中に目へかかる負担を減らすために一般に行われている工夫を、画面との距離・画面の見え方・目の休ませ方の3つに分けて整理します。
先に結論を3点にまとめます。
- 1. 画面と目の距離・高さを整える:厚生労働省のガイドラインでは、おおむね40cm以上の視距離を確保し、画面の上端が目の高さとほぼ同じか、やや下になる高さが望ましいとされています。
- 2. 連続作業を区切って目を休ませる:同じガイドラインでは、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、10〜15分の作業休止時間を設けることとされています。休止中は画面から目を離すことが基本です。
- 3. 見えにくさの原因を減らす:画面への照明の映り込み、小さすぎる文字、画面の汚れなど、目を凝らす原因を一つずつ取り除きます。
なぜ画面作業では目が疲れやすいといわれるのか
目の疲れの感じ方や背景は人によって異なり、原因を一律に断定することはできません。ただ一般には、近い距離に長時間ピントを合わせ続けること、画面を注視してまばたきが減ること、照明の映り込みや文字の小ささで目を凝らすことなどが、目の負担につながりやすいと指摘されています。パソコン作業はこれらが重なりやすいため、環境の調整と休ませ方の両方を整えることが現実的な対策になります。
なお、見えにくさやかすみには、目の病気など別の原因が隠れていることもあります。本記事は一般的な工夫の整理であり、症状が続く場合は眼科への相談を優先してください。
目の負担を減らす工夫一覧
| 見直す場所 | 工夫の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 画面との距離 | おおむね40cm以上の視距離を確保する | ノートPCは近づきすぎやすいので特に注意 |
| 画面の高さ | 画面の上端が目の高さとほぼ同じか、やや下にする | 見上げる配置を避ける |
| 映り込み | 照明や窓の光が画面に映り込まない向き・角度にする | 画面の角度調整やカーテンの活用が一般的 |
| 文字の大きさ | 目を凝らさずに読める大きさまで表示を拡大する | ズーム機能や表示設定で調整できる |
| 画面の状態 | 画面の汚れを拭き取り、明るさを周囲と極端に差がないよう調整する | 暗い部屋で明るい画面だけを見る状態を避ける |
| 休ませ方 | 連続作業は1時間以内で区切り、10〜15分の休止で画面から目を離す | 遠くを見る、目を閉じるなどが一般に行われる |
| 乾燥対策 | 意識的にまばたきをする、空調の風が顔に直接当たらないようにする | 集中時はまばたきが減りやすいとされる |
画面との距離と高さ:厚生労働省ガイドラインの目安
パソコンなどを使う作業について、厚生労働省は情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインを示しています。目の疲れへの効果を保証するものではありませんが、目の負担が少ない作業環境の公的な目安として参考になります。
- ディスプレイは、おおむね40cm以上の視距離が確保できるようにする
- ディスプレイは、画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい
- 一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10〜15分の作業休止時間を設ける
- 一連続作業時間内において1〜2回程度の小休止を設ける
出典:厚生労働省情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(基発0712第3号、令和3年12月1日一部改正)
目の休ませ方:区切りと小休止をセットにする
環境を整えても、画面を見続ける時間が長いままでは負担は積み重なります。まず1時間を目安に作業を区切り、休止時間には画面から目を離すことを徹底するのが基本です。窓の外など遠くをぼんやり見る、目を閉じて休める、席を立って歩くといった過ごし方が一般に行われています。作業の合間の小休止でも、数十秒だけ画面から視線を外して遠くを見る、意識的にまばたきをするといった短い切り替えを挟むと、休止までの間をつなぎやすくなります。いずれも効果を保証するものではありませんが、コストがかからず今日から試せる工夫です。
目薬をさせば目の疲れは治る?
正直にお答えすると、この記事で治るかどうかをお伝えすることはできません。市販の目薬で楽になったと感じる人もいますが、目の疲れの背景はさまざまで、製品との相性や使い方の判断も含めて、本記事で断定することはできないためです。購入する場合は薬剤師に相談し、使っても症状が続く場合はそのまま使い続けず、眼科で相談することをおすすめします。特に、かすみが取れない、痛みがある、頭痛を伴う、見え方が変わったと感じるといった場合は、早めの受診が安心です。
目の疲れ対策とあわせて見直したいこと
画面が見えにくいと、無意識に顔を近づけて前かがみになり、首・肩・腰の負担にもつながります。姿勢側の工夫はデスクワークの肩こり対策と腰の負担を減らす工夫で整理しています。また、モニターの配置や選び方をより詳しく知りたい人は目にやさしいモニター環境のつくり方もあわせて参考にしてください。
まずは、画面との距離をおおむね40cm以上に保つことと、1時間ごとに画面から目を離すこと。この2つから始めてみてください。目の使い方を整えることは、仕事の集中力や姿勢の維持にもつながる、働くうえでの基本的な環境づくりです。
※ 本記事は一般的な工夫の整理です。痛み・不調が続く場合は整形外科・眼科など専門の医療機関を受診してください。
