武田と第一三共は「グローバルメガファーマ」か「がん領域で躍進」か
内資製薬のトップを争う武田薬品工業と第一三共。大型買収でグローバルメガファーマ化した武田、抗がん剤ADC(エンハーツ等)で世界的に躍進する第一三共という対比が基本です。就職偏差値・平均年収とも、製薬の中で上位です。比較には、両社の有価証券報告書と公式採用ページ、厚生労働省の公表データ、当サイトの就活判定を使います。
就職難易度・偏差値の比較
両社とも製薬トップクラスの難関です。研究職は理系修士・博士中心で最難関、MR(営業)は文理問わず採用されます。
| 項目 | 武田薬品 | 第一三共 |
|---|---|---|
| 就職偏差値 | 65 | 64 |
| 研究職 | 理系修士・博士中心(最難関) | 理系修士・博士中心(最難関) |
| MR職 | 文理問わず | 文理問わず |
| 特徴 | グローバル | 研究力・がん領域 |
※就職偏差値は当サイトのデータ(公開情報をもとにした目安)。職種の採用の形と特徴は編集部の整理です。研究職は専攻分野とのマッチングが重視されます。
偏差値は1ポイント差ですが、当サイトの就活判定(経験の加点なし)では差がはっきり出ます。文系で大学群の目安の3段目にいる場合、武田薬品は「対策次第」、第一三共は「十分射程」です。4段目では武田薬品が「挑戦枠」、第一三共が「対策次第」と、武田薬品の方が一段ずつ厳しく出ます。判定は会社を偏差値の帯で分けていて、65の武田薬品は「65〜69」、64の第一三共は「60〜64」の帯に入るためです。理系はどちらも文系より一段広く、武田薬品は4〜5段目が「対策次第」です。
年収の比較
両社とも有価証券報告書の平均年収は1,000万円を超えています。
| 年齢・項目 | 武田薬品 | 第一三共 |
|---|---|---|
| 平均年収(有報・2026年3月期) | 1,144.5万円 | 1,097.7万円 |
| 平均年齢 | 44.0歳 | 45.0歳 |
| 平均勤続年数 | 14.8年 | 19.9年 |
| 従業員(単体・連結) | 4,792人・4万7,029人 | 8,009人・2万171人 |
※各社の有価証券報告書(提出会社単体の平均年間給与・管理職を含む)。年齢別の年収は公表されていません。
平均年収の差は46.8万円で、武田薬品が上です。武田薬品は連結の従業員4万7,029人のうち、日本の提出会社で働くのは約1割の4,792人で、グループの大部分が本体の外(国内外の子会社など)にいる会社です。第一三共は単体8,009人と、日本の本体で働く人の数では武田薬品を上回ります。
有価証券報告書で見る業績の明暗
| 連結 | 武田薬品 | 第一三共 |
|---|---|---|
| 売上(2026年3月期) | 4兆5,057億円 | 2兆1,230億円 |
| 4年間の売上の伸び | 1.26倍 | 2.03倍 |
| 純利益(2026年3月期) | −1,524億円 | 2,599億円 |
| 研究開発費(同) | 6,759億円 | 4,660億円 |
| 自己資本比率(同) | 47.9% | 41.5% |
※各社の有価証券報告書(IFRS・連結の経営指標等の推移)。4年間は2022年3月期からの伸び。
売上は武田薬品が第一三共の2倍以上ありますが、2026年3月期は純損失で、純利益は2023年3月期の3,170億円から年々減ってきました。第一三共は売上を4年で2倍に伸ばし、純利益も2,599億円を確保しています。研究開発費の額は武田薬品が上ですが、売上に対する割合は武田薬品15.0%、第一三共22.0%で(有価証券報告書の数字から当サイトで計算)、研究への力の入れ方の違いが見えます。
働き方の公表値と募集の形
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、月平均の残業時間が武田薬品18.0時間(社員・契約社員の合計)、第一三共17.4時間(正社員)と、ほぼ同じ水準で公表されています(2026年10月16日更新のデータを加工)。武田薬品の新卒採用ページでは、製剤設計やバイオプロセス開発などの研究技術職を、光工場(山口県)・大阪工場・湘南の研究拠点(神奈川県藤沢市)といった勤務地と一緒に案内していて、職種と勤務地が結びついた募集になっています。第一三共は、研究職・データサイエンス・開発職・ファーマコビジランス職・サプライチェーンスタッフ・MR・コーポレートスタッフという職種ごとの募集です(いずれも2026年10月12日取得)。どちらも「製薬会社に入る」より「どの職種で入るか」を先に決める採用なので、職種ごとの仕事の中身を説明会で確かめておくことが大切です。業界全体では、医薬品製造業を含む化学工業などに大卒で入った人の3年以内の離職率は15.3%(2022年3月卒)と、全産業の33.8%を大きく下回ります。
事業・社風と将来性
武田はシャイアー買収でグローバルメガファーマ化し、消化器・希少疾患・オンコロジーなどに展開。第一三共は抗がん剤ADC(エンハーツ)が世界的に大成功し、がん領域で急成長しています。社風は武田が「グローバル・多様性・実力主義」、第一三共が「研究重視・堅実・チャレンジ」と対照的です。
| 項目 | 武田薬品 | 第一三共 |
|---|---|---|
| 強み | グローバル規模・多様な領域 | がん領域ADC・研究力 |
| グローバル度 | 非常に高い(連結従業員の約9割が日本の本体以外) | 高い(米欧で展開) |
| 社風 | グローバル・多様性・実力 | 研究重視・堅実 |
| 向く人 | 英語×グローバル製薬 | 研究・がん領域に挑みたい |
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| グローバル×英語×多様性 | 武田薬品 |
| がん領域×研究力×成長 | 第一三共 |
| 大型買収で広がった事業の中で働きたい | 武田薬品 |
| 世界で勝つ創薬に関わりたい | 第一三共 |
結論として、グローバル規模の武田、がん領域で躍進の第一三共が選び方の軸です。最難関の製薬を目指すなら、逆求人PRサイトで企業からのスカウトを受け、早期選考・OB訪問PRの機会を活かすのが有効です。製薬全体は製薬会社就職難易度ランキング、3社比較は製薬大手3社の比較もご覧ください。
この記事のデータの出典
- 武田薬品工業・第一三共の有価証券報告書(2026年3月期・金融庁 EDINET)
- 武田薬品工業・第一三共の公式採用ページ(2026年10月12日取得)
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 当サイトの就職偏差値データ・就活判定(/tools/hantei)

