ゼネコンは「スーゼネ5社」と「準大手・専門系」で難易度が二段構え
建設業界の就職難易度は、スーパーゼネコン5社(鹿島・大林組・清水建設・大成建設・竹中工務店)が上位を占め、マンション特化の長谷工も同じ水準に並ぶ構図です。本記事では、有価証券報告書、厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」の公表値、当サイトの就活判定をもとに、主要各社の就職難易度と待遇・働き方を整理します。
ゼネコン就職偏差値ランキング
| 企業 | 区分 | 就職偏差値 | 平均年収(有報) |
|---|---|---|---|
| 長谷工コーポレーション | マンション特化 | 63 | 1,039.9万円 |
| 鹿島建設 | スーゼネ | 62 | 1,245.4万円 |
| 竹中工務店 | スーゼネ(非上場) | 62 | 1,152.7万円 |
| 大成建設 | スーゼネ | 62 | 1,191.0万円 |
| 大林組 | スーゼネ | 61 | 1,239.4万円 |
| 清水建設 | スーゼネ | 61 | 1,043.1万円 |
| 五洋建設 | マリコン最大手 | — | — |
| インフロニアHD(前田建設) | 準大手 | — | — |
| 戸田建設 | 準大手 | — | — |
| 熊谷組 | 準大手 | — | — |
※就職偏差値は当サイトのデータ(公開情報をもとにした目安)。平均年収は各社の有価証券報告書(提出会社単体。竹中工務店は2025年12月期、ほかは2026年3月期)。五洋建設・インフロニアHD・戸田建設・熊谷組は当サイトの511社のデータに入っていないため「—」にしています。
スーゼネ5社の平均年収は1,043.1万円(清水建設)から1,245.4万円(鹿島建設)までで、5社とも1,000万円を超えています。偏差値がいちばん高い長谷工コーポレーションは1,039.9万円で、平均年齢が39.4歳とスーゼネ(41.2〜44.6歳)より若い会社です。平均勤続はスーゼネ5社が15.7年(鹿島建設)〜18.9年(竹中工務店)で、長く勤める人が多い業界です。当サイトの就活判定(経験の加点なし)では、6社とも大学群の目安の1〜3段目が「十分射程」、4〜6段目が文理とも「対策次第」で、偏差値の差ほど入口の広さに差はありません。
4年で見る利益の伸び(有価証券報告書)
| 連結の純利益 | 4年前 | 最新期 |
|---|---|---|
| 鹿島建設 | 1,039億円 | 1,773億円 |
| 大林組 | 391億円 | 1,738億円 |
| 大成建設 | 714億円 | 1,700億円 |
| 清水建設 | 478億円 | 1,266億円 |
| 竹中工務店 | 393億円 | 1,030億円 |
| 長谷工コーポレーション | 545億円 | 548億円 |
※各社の有価証券報告書(連結の経営指標等の推移)。4年前は2022年3月期(竹中工務店は2021年12月期)、最新期は2026年3月期(竹中工務店は2025年12月期)。
スーゼネ5社はそろって4年で純利益を大きく伸ばし、大林組は4倍以上になりました。一方、マンションに特化した長谷工コーポレーションは、4年前とほぼ同じ水準です。会社ごとの勢いの違いは、志望動機を考えるときの材料になります。最新期の連結の売上は、鹿島建設3兆673億円、大林組2兆5,863億円、大成建設2兆891億円、清水建設2兆578億円、竹中工務店1兆6,148億円、長谷工コーポレーション1兆2,731億円でした。竹中工務店は非上場ですが、有価証券報告書を提出しているので、上場している会社と同じ形で数字を確かめられます。
採用区分で難易度と働き方が大きく変わる
| 区分 | 主な仕事 | 難易度の傾向 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 施工管理(土木/建築) | 現場の工程・品質・安全管理 | 採用数最多・門戸は広い | 転勤・現場勤務が前提 |
| 設計 | 意匠・構造・設備設計 | 最難関(建築学科上位・院卒中心) | 竹中・日建設計等と併願多い |
| 研究・技術開発 | 新工法・材料・ロボット化 | 難関(院卒中心) | 技術研究所配属 |
| 事務系総合職 | 営業・調達・管理 | 採用数が少なく倍率高 | 文系の主戦場 |
※区分ごとの難易度の傾向と備考は編集部の見方です。
追い風と注意点——「働き方改革」の進捗を見る
業績は追い風ですが、建設業には2024年から時間外労働の上限規制が適用されていて、現場の働き方改革の進捗は会社・現場によって差があります。厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で公表されている月平均の残業時間は次のとおりで、数字の定義が会社ごとに違う点に注意が必要です。
| 企業 | 月平均の残業 | 対象・定義 |
|---|---|---|
| 大林組 | 32.1時間 | 正社員(就業規則の所定時間を超えた時間) |
| 大成建設 | 29.7時間 | 正社員 |
| 長谷工コーポレーション | 25.8時間 | 正社員 |
| 清水建設 | 22.9時間 | 管理職を除く(2025年度実績) |
| 竹中工務店 | 22.4時間 | 全従業員(海外現地法人などを除く) |
| 五洋建設 | 15.7時間 | 正社員 |
| 戸田建設 | 11.0時間 | 正社員 |
| 鹿島建設 | 6.4時間 | 全従業員(同社の計算式による) |
※職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成。熊谷組は同サイトで公表値を確認できませんでした。
建設業でフルタイムで働く人の平均は月13.5時間(毎月勤労統計調査・2025年)、有給の取得率は60.7%(令和7年就労条件総合調査)です。スーゼネのうち4社は残業が業界平均の1.7〜2.4倍ある一方、清水建設は有給の取得率64.3%、戸田建設は66.2%と、業界平均を上回る数字も公表しています。大卒で建設業に就職した人の3年以内の離職率は30.5%(2022年3月卒)で、全産業の33.8%よりやや低い水準です。説明会では残業実態・週休二日の達成率・DX(施工ロボット/BIM)への投資を具体的に質問すると、入社後のギャップを減らせます。
結論として、設計・研究志望なら難関のスーゼネ5社、現場でキャリアを積むなら準大手まで視野を広げるのが定石です。5社の年収比較はスーパーゼネコン年収比較、個別の対決は清水建設vs大成建設・鹿島vs大林組もご覧ください。
この記事のデータの出典
- 各社の有価証券報告書(金融庁 EDINET)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」「令和7年就労条件総合調査」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
- 当サイトの就職偏差値データ・就活判定(/tools/hantei)

