中国語・韓国語の語学スキルは、翻訳・通訳・オンライン語学講師などの副業に生かせます。日本政府観光局(JNTO)の推計では、2025年に日本を訪れた外国人は約4,268万人で、そのうち韓国が約946万人、中国が約910万人でした。本ガイドで在宅・副業の選択肢を整理します。
語学を生かせる場面の背景
需要の大きさを数えた公的な統計は見つかりませんでした。次は編集部の見方です。
- インバウンド観光客の回復
- K-POP・韓国ドラマ・中国エンタメの継続人気
- 越境EC・海外進出の拡大
- 日本企業の中国・韓国市場対応
- 在日中国人・韓国人向けサービスの拡大
語学を活かす副業の選択肢
1. 翻訳(在宅)
- ビジネス書類(プレゼン・契約書)
- マニュアル・取扱説明書
- Webサイト・SNS
- 字幕翻訳・アニメ・漫画
- ECサイトの商品説明
2. 通訳
- 逐次通訳(会議・商談)
- 同時通訳(国際会議・セミナー)
- 観光案内
- 医療通訳
- 司法通訳
3. オンライン語学講師
- 中国語・韓国語のオンラインレッスン
- 日本語講師(中国人・韓国人向け)
- グループ・マンツーマン
4. コンテンツ作成
- 中国・韓国の文化・観光ブログ
- YouTube・SNS でのコンテンツ発信
- 多言語コンテンツ制作
5. インバウンド対応
- ホテル・観光地での通訳
- ツアーガイド
- 外国人向けサービス開発
単価の決まり方
翻訳や通訳の単価について、公的な統計や公式の料金表は見つかりませんでした。そのため、この記事では金額の目安を載せていません。単価は、案件の種類(契約書・マニュアル・字幕など)、専門分野、言語の方向(中国語から日本語か、日本語から中国語か)、納期によって大きく変わります。
- 翻訳: 文字数や語数、分野、納期などで決まる
- 通訳: 拘束する時間や日数、逐次か同時か、専門分野などで決まる
- オンライン講師: レッスンの時間、プラットフォームの手数料、自分で決める価格などで決まる
実際の金額は、クラウドソーシングや翻訳会社、オンライン語学プラットフォームの公式ページに載っている料金表や、募集条件で確かめてください。
案件獲得の経路
クラウドソーシング
- 翻訳特化サイト
- Conyac, Gengo, トランスマート
- 駆け出し向け
翻訳エージェント
- 専門翻訳会社への登録
- トライアル試験あり
- 安定した案件
直接契約
- 専門メディアへの応募
- 知人・人脈経由
- SNS発信からの問い合わせ
オンライン語学プラットフォーム
- italki / Cafetalk / Preply
- 自分で価格設定
- グローバルな生徒層
全国通訳案内士(国家資格)
概要
- 日本政府観光局(JNTO)が、観光庁の代行機関として毎年1回実施する国家試験
- 名称独占(2018年1月の法改正で業務独占は廃止され、資格がなくても有償で通訳案内はできますが、「全国通訳案内士」の名称は資格を持つ人だけが使えます)
- 言語別の延べ登録者数は27,950人(2025年4月1日現在)
- 通訳ガイドができる
試験言語
- 英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語
- ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語
- ロシア語・タイ語
試験内容
- 語学(筆記+口述)
- 日本地理
- 日本歴史
- 一般常識
- 通訳案内士の実務
合格率
日本政府観光局(JNTO)が公表した2025年度の結果です。全言語では、受験者3,987人のうち585人が最終合格し、最終合格率は14.7%でした。
| 言語 | 受験者数 | 最終合格者数 | 最終合格率 |
|---|---|---|---|
| 全言語の計 | 3,987人 | 585人 | 14.7% |
| 英語 | 3,180人 | 500人 | 15.7% |
| 中国語 | 268人 | 29人 | 10.8% |
| 韓国語 | 82人 | 12人 | 14.6% |
※受験者数には、筆記試験の免除者を含みます。年度や言語によって数字は変わります。最新の結果はJNTOのページで確認してください。
活かし方
- インバウンド観光ガイド
- 通訳業務
- 通訳学校講師
- 観光関連企業
必要な語学レベル
翻訳・通訳の目安
- 中国語: HSK 6級 or 中検 1級
- 韓国語: TOPIK 6級 or ハングル能力検定 1級
- ビジネス対応はさらに上のレベル
オンライン講師
- 母語話者レベルの教える力
- 教育スキル(資格より重要な場合あり)
- 文化的背景の説明力
学習リソース
中国語
- HSK 対策テキスト
- 中検対策
- オンライン中国語学校
- アプリ(HelloChinese・LingoDeer)
韓国語
- TOPIK 対策
- ハン検対策
- K-POP・ドラマでのインプット
- アプリ(LingoDeer・Drops)
通訳・翻訳の専門スキル
- 通訳・翻訳の専門学校
- 大学院の言語コース
- オンライン専門講座
給付金の活用
- 一部の語学講座が教育訓練給付制度の指定
- 専門学校・大学院も対象になる場合
- 通訳・翻訳スクールの一部
- 受講前の手続きを確認
副業から本業化のステップ
Step 1: 語学資格の取得
- HSK / 中検 / TOPIK / ハン検
Step 2: 翻訳・通訳の基礎を学ぶ
- 通訳・翻訳の専門講座
- トライアル試験で実力確認
Step 3: 小規模案件で実績
- クラウドソーシングで実績作り
Step 4: エージェント登録
- 翻訳会社のトライアル
- 安定した案件確保
Step 5: 専門特化 or 直接契約
- 医療・法律・IT 等の専門化
- 大口クライアントとの直接契約
キャリアパス
専業翻訳家・通訳者
- フリーランス
- 翻訳会社所属
- 出版翻訳
インバウンド業界
- ホテル・旅行会社
- 観光ガイド
- 通訳案内士
教育業界
- 語学スクール講師
- 大学・専門学校教員
- 企業の語学研修
海外駐在・転勤
- 中国・韓国への駐在
- 海外法人での勤務
注意点
- 「語学だけで高収入」は煽り表現
- AI 翻訳の進化で、単純な翻訳の仕事は減る可能性がある
- 専門性・スピード・正確性が差別化
- 文化理解・営業力も重要
- 確定申告: 給与を1か所から受けている会社員は、給与以外の所得(収入から経費を引いた額)の合計が年間20万円を超えると必要(国税庁 タックスアンサー No.1900)
AI 翻訳との共存
- DeepL・ChatGPT 等の進化
- AI 翻訳の校正・後編集が新業務
- 人間にしかできない領域(文学・文化・専門)
- AI を使いこなす側に立つ
確認すべき公式情報
- HSK / 中検 / TOPIK / ハン検の公式
- 観光庁・日本政府観光局(JNTO)(全国通訳案内士)
- 翻訳エージェントの公式サイト
- 国税庁(副業の確定申告)
まとめ
中国語・韓国語の副業には、翻訳・通訳・オンライン講師 などの選択肢があります。HSK / TOPIK 等の資格取得から、専門特化・直接契約へと段階的に進める方法があります。AI 翻訳との共存も視野に入れて考えておくと安心です。
※ 単価や市場の動向は変動します。最新の情報は、業界団体や案件サイトの公式ページでご確認ください。
この記事のデータの出典
- 日本政府観光局(JNTO)「全国通訳案内士試験概要」(2026年10月22日確認)
- 日本政府観光局(JNTO)「2025年度 受験者数及び合格者数」(2026年10月22日確認)
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」と、市場別の表「2025年 訪日外客数(総数)」(2026年10月22日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(2026年10月22日確認)
訂正(2026年10月22日):この記事の以前の版では、出典のない単価の数字(翻訳は1文字5〜50円、字幕は1分1,000〜3,000円、通訳は1時間5,000〜15,000円・1日1.5〜15万円、オンライン講師は1レッスン1,500〜10,000円で月収換算10〜30万円、「月数万円から」)を載せていました。公的な統計や公式の料金表で確かめられなかったため、削除しました。全国通訳案内士試験の合格率は「約10〜20%程度」とだけ書いていたため、日本政府観光局(JNTO)が公表した2025年度の数字に置き換えました。あわせて、「観光庁主催」「唯一の語学系国家資格」という書き方は、JNTOの説明に合わせて直しました。確定申告の説明は、国税庁の基準に合わせて直しました。

