「転職活動中。なんでこんな書き方するんだろう?」——脱社畜マンガ家のじょん氏(@John25uru)が2026年7月中旬に投稿した4コマ漫画がXで大きな反響を呼びました。取り上げたのは、とある求人票の「年間休日120日(※115日+有休5日)」という注釈。有給休暇を年間休日の数字に混ぜて多く見せる書き方への違和感に、多くの転職経験者が「あるある」と共感し、いいね数は実測で10,759件(リポスト677件超)に達しています。年間休日の数字は本当に信用してよいのか、厚生労働省の最新データと合わせて検証します。
結論:先に3行で
- 「年間休日」に有給休暇は原則含まれない。ただし「◯日(有休◯日含む)」のように有給を混ぜて日数を大きく見せる求人票の書き方は実在し、それを風刺した漫画がXで1万いいね超(実測10,759件)のバズとなった
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(2025年12月19日公表)によると、労働者1人平均の年間休日は116.6日で1985年(昭和60年)以降過去最多。年間休日120日は「完全週休二日制+祝日」の目安ライン、労働基準法上の理論上の最低ラインは105日
- 年次有給休暇の取得率も66.9%(同調査、過去最高)まで上がったが、100%ではない。求人票の「年間休日」の数字だけでなく、「完全週休二日制」表記の有無・有給の内訳・計画年休の有無を面接で確認することが後悔しない転職の分かれ目
年間休日105日・120日・125日、それぞれの内訳は?
年間休日の日数ごとに、一般的に想定される内訳とチェックポイントを整理しました。
| 年間休日 | 想定される内訳の目安 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 105日 | 労働基準法上の理論上の最低ライン(週40時間労働を年間換算した値) | 法令違反ではないが、休みは少なめの水準 |
| 110日前後 | 完全週休二日制だが祝日の一部は出勤/または「週休二日制」(隔週・月1回等)+祝日 | 「完全」の有無を求人票・面接で必ず確認 |
| 120日 | 完全週休二日制(104日)+祝日(16日)が目安 | 求人票で最も多く見られる「標準的」な水準 |
| 125日以上 | 120日相当+夏季・年末年始などの特別休暇(5日前後) | 特別休暇の具体的な取得時期・日数を確認 |
| 「◯日(有休◯日含む)」表記 | 本来別枠の有給休暇を年間休日の数字に混ぜている | 実質の所定休日は表示日数より少ない。面接で内訳を必ず質問 |
※内訳は労働基準法第32条・第35条の規定と一般的な休日制度の解説をもとにした編集部の目安であり、個別の求人票の内訳を保証するものではありません。105日の算出根拠は「週40時間×52週=年間最大労働時間2,080時間、1日8時間換算で労働日数260日、365日-260日=105日」です。
この調査は常用労働者30人以上の民営企業6,448社を抽出し、3,820社から有効回答を得たものです(調査時点2025年1月1日、対象期間は2024年1年間)。中小企業を含む幅広いサンプルでの実測値であり、大手企業だけを見た「有名企業の求人票」の休日数とは前提が異なる点にも注意してください。
「求人票の年間休日は信用できないのか」への正直な回答
Q. 有給休暇を年間休日に混ぜて書くのは違法なのか
「年間休日」は労働基準法で厳密に定義された用語ではないため、直ちに違法とは言えません。ただし内定後に交付される労働条件通知書・雇用契約書では、所定休日と年次有給休暇は別項目で明示する義務があります。求人票の段階で「◯日(有休◯日含む)」という書き方に違和感を覚えたら、応募前・面接時に確認する価値があります。
Q. 「週休二日制」と書いてあれば毎週2日休めるのか
いいえ。「週休二日制」は「月に1回以上、週2日休みの週がある」という意味にとどまり、毎週2日休めるのは「完全週休二日制」です。この一言の有無だけで、年間16日前後の差が生まれます。
Q. 年間休日120日あれば「ホワイト企業」と判断していいのか
休日日数だけでは判断できません。厚労省調査でも年次有給休暇の取得率は66.9%(過去最高)にとどまっており、付与日数18.1日に対して取得は12.1日が平均です。休日日数と有給消化率は別の指標として確認する必要があります。
求人票を鵜呑みにしないためのチェックリスト
- ①「完全週休二日制」か「週休二日制」かを確認した
- ②祝日が休みかどうか(祝日出勤ありの企業もある)を確認した
- ③年間休日の数字に有給休暇が含まれていないか、脚注・注釈を確認した
- ④計画年休(会社指定の有給取得日)の有無を確認した
- ⑤年次有給休暇の直近の取得実績・取得率を面接で質問した
- ⑥転職口コミサイトで、実際の休日運用について現職・元社員の声を確認した
口コミサイトの使い分けは転職口コミサイト比較で解説しています。求人票の記載だけで判断がつかない場合は、転職エージェントの使い方を参考に、エージェント経由で企業へ休日条件を確認してもらうのも有効です。
まとめ:数字ではなく「内訳」を見る
「年間休日120日」という数字自体は嘘ではなくても、その中身は企業によって大きく異なります。厚労省の実測データ(労働者1人平均116.6日、有給取得率66.9%)を基準に、求人票の数字が平均より高いのか低いのか、有給休暇が別枠で確保されているのかを、応募前に一段掘り下げて確認する習慣が、入社後の「聞いていた話と違う」を防ぎます。今回のバズが物語るように、求人票の一文への違和感は多くの転職経験者に共通する感覚です。一人で判断に迷ったときは、次章のチェックリストと合わせて第三者の視点も借りてください。
