重工業界は「航空宇宙・防衛・エネルギー」の国家規模のものづくり
重工業界は、航空宇宙・防衛・エネルギー・プラント・船舶など国家規模・社会基盤のものづくりを担う業界です。三菱重工業・IHI・川崎重工業の重工3社を中核に、技術系(理系)を中心に採用します。
先に答えると、重工業界の就職偏差値(当サイトの目安)は三菱重工業63・川崎重工業62・IHI61です。3社の差は1ポイントずつしかなく、どこもメーカーの中では難関の部類に入ります。差がつくのは難易度よりも、航空・防衛・エネルギーのどの事業を軸にしたいかという志望理由のほうです。本記事では公開情報をもとに就職難易度を整理します。
重工業界 就職偏差値ランキング
| 企業 | 就職偏差値 | 平均年収(有報) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(提出会社) | 初任給(大卒・公式) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日揮ホールディングス | 66 | 975万円(2026年3月期) | 44.6歳 | 12.8年 | 245人 | 300,000円 |
| 三菱重工業 | 63 | 1,072万円(2026年3月期) | 42.3歳 | 18.5年 | 23,373人 | — |
| 川崎重工業 | 62 | 910万円(2026年3月期) | 41.7歳 | 15.3年 | 15,361人 | — |
| IHI | 61 | 1,001万円(2026年3月期) | 42.4歳 | 15.2年 | 8,199人 | — |
※就職偏差値は当サイトの目安。平均年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は有価証券報告書(2026年3月期・提出会社単体)で、日揮ホールディングスは持株会社(社員245人)の数字です。初任給は公式採用ページ(2026年10月12日取得)の大学卒の月給で、「—」は取得できなかった社です。技術系(理系・機械/電気/航空)中心の採用です。
重工3社の平均年収は、三菱重工業1,072万円、IHI1,001万円、川崎重工業910万円で、3社とも900万円を超えています。偏差値の順番は三菱重工・川崎重工・IHIですが、年収ではIHIが川崎重工を約90万円上回ります。本体の社員数は三菱重工業が23,373人と、IHI(8,199人)の約3倍の大きさです。
プラントエンジニアリング専業では日揮ホールディングスが国内最大手クラスで、重工各社のエネルギー部門と併願されることの多い企業です。
有価証券報告書で見る5年の業績
重工3社は、この5年で売上を大きく伸ばしました。連結の売上は、三菱重工業が3兆8,603億円(2022年3月期)から4兆9,742億円(2026年3月期)、川崎重工業が1兆5,009億円から2兆3,113億円、IHIが1兆1,729億円から1兆6,434億円です。伸び率は川崎重工業が約1.54倍でいちばん大きく、三菱重工業は約1.29倍でした。
利益の動きには個性があります。三菱重工業の純利益は1,135億円から3,321億円へと約2.9倍になりました。IHIは2024年3月期に682億円の純損失を出したあと、2026年3月期は1,610億円の黒字まで戻しています。研究開発費は三菱重工業が2,891億円と、ほか2社(川崎重工業568億円・IHI396億円)を大きく引き離しています。
公式の募集要項で見る新卒採用
採用人数を公表しているのは川崎重工業です。2026年の実績は技術系262名・事務系63名の計325名(2025年10月末現在)で、技術系が約8割を占めます。初任給は大学・高専専攻科卒300,000円、修士了320,000円、博士了380,770円です。日揮ホールディングスは技術系総合職と文系総合職を募集していて、初任給は学士300,000円・修士330,000円・博士360,000円、勤務は横浜本社に加えて海外事務所や国内外の建設現場への出張・駐在があると書かれています。三菱重工業は事務系向けのMHI WINTER WORKSHOPと、技術系向けのMHI WINTER INTERNSHIPを分けて募集していました。
働き方の公表値
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」では、正社員の月平均の残業時間が三菱重工業27.4時間、川崎重工業22.8時間、IHI21.3時間(2024年度)と公表されています。有給休暇の取得率はIHI78.3%(2024年度)、日揮ホールディングス72.8%です(2026年10月16日更新のデータを加工)。3社とも製造業の平均(フルタイムで月14.7時間・厚生労働省「毎月勤労統計調査」2025年)より長く、大型案件の納期がある業界の働き方が数字にも出ています。いっぽう機械関係の製造業の大卒3年以内離職率は16.8%(2022年3月卒)と低く、長く働く人が多い業種でもあります。
当サイトの就活判定(加点なし)では、重工3社の判定はそろって同じで、大学群1〜3段目は文理とも「十分射程」、4段目は文系「対策次第」・理系「十分射程」でした。偏差値66の日揮ホールディングスは、3段目の文系から「対策次第」に変わります。重工3社を本命に、日揮をひとつ上の挑戦先として組み合わせる併願は、判定の上でも筋が通ります。
重工業界の魅力と将来性
重工業界の魅力は「スケールの大きさ」と「国家・社会を支える使命」です。航空エンジン、ロケット・宇宙、防衛、GX(脱炭素:水素・アンモニア・原子力)、プラントなど、一つの製品が巨大で社会的影響が大きい仕事に携われます。防衛費増額・GX・宇宙開発などで成長領域が拡大中。理系(機械・電気・航空・materials)が中心ですが、文系も営業・調達・プロジェクト管理・海外事業で活躍できます。ものづくりで世界・社会を支えたい人に向く業界です。
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この記事のデータの出典
- 各社の有価証券報告書(2026年3月期・金融庁 EDINET)
- 各社の公式採用ページ(2026年10月12日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日更新)を加工して作成
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

