三菱地所と住友不動産は「丸の内の街経営」か「自社施工の量と効率」か
不動産デベロッパー大手の三菱地所と住友不動産。丸の内エリアを核に街全体を長期で経営する三菱地所、オフィスビル・マンションを自社で幅広く手がける住友不動産という対比が基本です。本記事では有価証券報告書(有報)と両社の新卒採用ページ、厚生労働省の公表データで比べます。
就職難易度・年収の比較
| 項目 | 三菱地所 | 住友不動産 |
|---|---|---|
| 就職偏差値 | 67 | 65 |
| 平均年収(有報・2026年3月期) | 約1,759万円 | 約824万円 |
| 平均年齢/平均勤続年数 | 42.5歳/16.3年 | 42.65歳/10.28年 |
| 従業員(単体/連結) | 1,286人/11,659人 | 2,021人/14,116人 |
| 大卒の初任給(公式) | 330,000円(2028年4月入社) | 305,000円(時間外勤務手当は別途) |
| 新卒の採用人数(公式) | 採用ページに人数の記載なし | 2025年入社24名、2026年入社41名(予定) |
※平均年収は各社有価証券報告書(2026年3月期・単体)の平均年間給与。初任給・採用人数は各社の新卒採用ページ(2026年10月12日取得)。就職偏差値は当サイトの目安です。以前の版の「主な採用大学」と、住友不動産の年収についての「総合職は年功で大きく上昇」という説明は、根拠を示せないため削りました。
平均年収は三菱地所が住友不動産の2倍以上ですが、平均年齢はどちらも42歳台で、年齢の差ではありません。違いが出ているのは平均勤続年数で、三菱地所の16.3年に対し住友不動産は10.28年と6年ほど短くなっています。初任給は三菱地所が2.5万円高い一方、住友不動産は時間外勤務手当を別に払うと明記しています。採用人数は住友不動産が2022年入社21名、2023年13名、2024年22名、2025年24名と公表していて、2026年は41名の予定と大きく増やしています。
デベロッパー大手6社の中での位置
| 企業 | 就職偏差値 | 平均年収(有報) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(提出会社) |
|---|---|---|---|---|---|
| 三井不動産 | 67 | 1,856万円(2026年3月期) | 42.1歳 | 16年 | 1,981人 |
| 三菱地所 | 67 | 1,759万円(2026年3月期) | 42.5歳 | 16.3年 | 1,286人 |
| 住友不動産 | 65 | 824万円(2026年3月期) | 42.65歳 | 10.28年 | 2,021人 |
| 東京建物 | 65 | 1,186万円(2025年12月期) | 41.8歳 | 11.3年 | 836人 |
| ヒューリック | 64 | 2,295万円(2025年12月期) | 39.8歳 | 7.5年 | 234人 |
| 東急不動産ホールディングス | 63 | 1,320万円(2026年3月期) | 42.8歳 | 15.3年 | 105人 |
※各社の有報(2025年12月期・2026年3月期、単体)。東急不動産ホールディングスは持株会社(単体105人)の数字です。
6社を並べると、住友不動産の平均年収824万円は、ほかの5社(1,186万〜2,295万円)と比べて目立って低い位置にあります。単体の社員は2,021人と6社で最も多く、社員の構成が他社と違うことが考えられますが、有報からは職種ごとの内訳までは分かりません。気になる人は、説明会や面接で総合職の給与の上がり方を確かめるのが確実です。
事業・社風の違い
有報の5年分の経営指標(連結)で、両社の規模と稼ぐ力を比べます。
| 決算期 | 三菱地所 営業収益 | 三菱地所 経常利益 | 住友不動産 売上高 | 住友不動産 経常利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 1兆3,495億円 | 2,537億円 | 9,394億円 | 2,251億円 |
| 2023年3月期 | 1兆3,778億円 | 2,718億円 | 9,399億円 | 2,367億円 |
| 2024年3月期 | 1兆5,047億円 | 2,412億円 | 9,677億円 | 2,531億円 |
| 2025年3月期 | 1兆5,798億円 | 2,630億円 | 1兆142億円 | 2,683億円 |
| 2026年3月期 | 1兆7,461億円 | 2,731億円 | 1兆578億円 | 2,892億円 |
※各社の2026年3月期の有報「主要な経営指標等の推移」(連結・日本基準)。
売上の規模は三菱地所が大きいものの、経常利益は2026年3月期に住友不動産が2,892億円と三菱地所の2,731億円を上回りました。住友不動産は5期続けて経常利益を伸ばし、自己資本比率も28.1%から34.4%に上がっています。三菱地所の自己資本比率は30.8%から31.4%と、ほぼ横ばいです。三菱地所は有報で、取り組む事業として「コマーシャル不動産事業」「丸の内事業」「住宅事業」「海外事業」「投資マネジメント事業」を並べ、住友不動産はインドでの開発などを取り上げています。働き方では、厚生労働省のしょくばらぼで三菱地所が月平均の残業時間11.3時間・有給取得率69.5%、住友不動産が月平均22.5時間(基幹的な職種)を公表しています。
| 項目 | 三菱地所 | 住友不動産 |
|---|---|---|
| 強み | 丸の内・街経営・ブランド | オフィスビル・マンション・インドでの開発 |
| 勤務地(公式) | 札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・大阪・広島・福岡など、海外はアメリカ・イギリス・シンガポールなど | 本社・事業所及び営業所、海外拠点 |
| 残業時間(しょくばらぼ) | 月11.3時間(正社員) | 月22.5時間(基幹的な職種) |
| 向く人 | 街を長期で経営したい | 採用人数が増えている会社で早くから現場に出たい |
タイプ別おすすめ早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 丸の内×街経営×品格 | 三菱地所 |
| オフィス・住宅×利益の伸び×採用増 | 住友不動産 |
結論として、街経営・ブランドと高い平均年収の三菱地所、利益を伸ばし採用人数を増やす住友不動産が選び方の軸です。就職偏差値は三菱地所が2高い位置です。逆求人PRサイトで自分の市場価値を測り、早期に選考対策を進めるのが有効です。三井不動産との比較は三井不動産vs三菱地所、デベ全体は不動産デベロッパー就職難易度もご覧ください。
この記事のデータの出典
- 三菱地所・住友不動産ほか不動産各社の有価証券報告書(2025年12月期・2026年3月期、EDINET)
- 三菱地所・住友不動産の新卒採用ページ(2026年10月12日取得)
- 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)(https://shokuba.mhlw.go.jp)のデータ(2026年10月16日取得)を加工して作成
- 当サイトの就職偏差値

