社会人大学院 = MBAだけではありません。法科・公衆衛生・教育・心理・公共政策・データサイエンス等、幅広いリスキリングルート があります。
主な社会人大学院ジャンル
| ジャンル | 期間 | 取得資格・学位 | 進路 |
|---|---|---|---|
| 法科大学院(ロースクール) | 2-3年 | 法務博士 | 司法試験→弁護士 |
| 公衆衛生(MPH) | 1-2年 | 修士 | 厚労省・WHO・コンサル |
| 教育学修士 | 1-2年 | 修士 | 教育委員会・教員 |
| 社会福祉学 | 1-2年 | 修士 + 社会福祉士 | 福祉行政・施設 |
| 公共政策(MPP) | 1-2年 | 修士 | 公務員・シンクタンク |
| 心理学(公認心理師対応) | 2年 | 修士 + 国家資格 | 心理職 |
| データサイエンス | 1-2年 | 修士 | データ分析・AI職 |
| 都市計画・建築 | 2年 | 修士 | 設計・自治体 |
| 国際関係・国際協力 | 2年 | 修士 | NGO・国連・JICA |
通学形態の選択肢
1. 夜間主コース
- 平日の夜と土曜に授業
- 通いやすい都心にキャンパスを置く大学院が多い
- 同じ大学院でも、昼の課程と夜間の課程が分かれていることがあるので募集要項で確認
2. 土日集中型
- 土曜の終日と日曜に授業
- 平日は仕事に集中でき、遠方からも通いやすい
3. オンライン中心
- 授業の大部分をオンラインで受ける
- 住んでいる地域に関係なく受講できる
- 修了までに対面の授業や試験がある場合もあるので確認
4. 通信制大学院
- 文部科学省の認可を受けた通信制の課程
- 自分のペースで学習
- スクーリング(対面授業)の回数は大学院ごとに違う
学費(国立大学の標準額と、私立の確かめ方)
国立大学の大学院の授業料には、国が省令で決めた「標準額」があります。文部科学省の資料によると、令和7年度の標準額は次のとおりです。各大学は標準額の120%まで授業料を決められるので、実際の額は大学ごとに確認が必要です。
| 区分 | 授業料(年額・標準額) | 入学料(標準額) |
|---|---|---|
| 国立大学の大学院(修士課程など) | 53万5,800円 | 28万2,000円 |
| 国立大学の法科大学院 | 80万4,000円 | 28万2,000円 |
標準額どおりなら、国立の修士課程を2年で修了するときの授業料と入学料の合計は135万3,600円です。私立の大学院やMBA、公衆衛生(MPH)などの専門職大学院は学費が大学ごとに大きく違うため、当サイトでは目安の金額を載せていません。各大学院の学生募集要項で、入学金・授業料・施設費をあわせて確かめましょう。
社会人の学生はどれくらいいるか
文部科学省の「大学院関連参考資料集」(2025年12月)によると、MBAや法科大学院などの専門職大学院の入学者は令和6年度に9,461人で、平成27年度の6,883人から増えています。在学生2万2,253人のうち社会人学生は1万1,484人で、半分を超えています。社会人が学ぶことは、もはや珍しいことではありません。
専門実践教育訓練給付金(最大80%)
大学院の課程のうち、厚生労働大臣の指定を受けた専門実践教育訓練の講座は、教育訓練給付金の対象になります。厚生労働省のページによると、2024年10月以降に開講する講座の給付率は次のとおりです。
- 受講中:教育訓練経費の50%(年間上限40万円)を、6か月ごとに支給
- 資格の取得などをして、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合:70%(年間上限56万円)
- さらに、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がった場合:80%(年間上限64万円)
受けられるのは、受講開始日の時点で雇用保険に入っていた期間が3年以上ある人です(初めて受ける場合は2年以上)。ハローワークの案内では、訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までに受給資格確認の手続きをする必要があります。この記事の初版では「最大70%」「1か月前まで」と書いていましたが、現在の制度に合わせて訂正しました。指定を受けている講座かどうかは、教育訓練講座検索システムで必ず確認してください。
入学試験
一般入試
- 研究計画書 + 面接 + 専門試験
- 大学院・研究科で大きく異なる
社会人特別入試
- 研究計画書 + 面接(小論文)が中心
- 学部成績要件が緩和されているケースあり
- TOEFL/TOEIC スコア が必要な研究科も
MBA等の専門職大学院入試
- 研究計画書 + GMAT/GRE 等
- 英語スコア要件あり
仕事との両立術
- 上司・人事への 事前相談(時短勤務・有給活用)
- 大学院の同期との学習グループ
- 修論・修了プロジェクト は半年-1年確保
- 長期休暇 を活用した集中学習
仕事を休んで学ぶときの「教育訓練休暇給付金」
2025年10月に、雇用保険の「教育訓練休暇給付金」が始まりました。厚生労働省の案内によると、業務命令ではなく就業規則などにもとづいて、連続30日以上の無給の休暇を取って教育訓練を受ける人が対象で、失業給付(基本手当)に相当する額が支給されます。受けるには、休暇開始前の2年間に12か月以上の被保険者期間があり、休暇開始前に5年以上雇用保険に加入していることが必要です。休暇の取得には勤め先の承認と手続きがいるので、大学院の入試の前に、職場の就業規則に教育訓練のための休暇の定めがあるかを人事に確認しておきましょう。
学び直しで目指せる進路の例
次は、分野ごとに考えられる進路の組み合わせを編集部で整理したものです。実在の個人の事例ではありません。
IT企業のエンジニア → MBA → 経営企画
- 技術の経験に、経営の数字と戦略の知識を足す
- 給付金の対象講座かどうかを先に確認
公務員 → 公衆衛生学 → 保健行政・国際保健
- 疫学や統計の専門性を身につける
- 職場の研修制度で学費の補助がないかも確認
看護師 → 教育学や看護学の修士 → 看護教員
- 実務経験に、教える立場の専門性を足す
会社員 → 社会福祉学 → 福祉の仕事
- 社会福祉士の受験資格との関係を、課程ごとに確認
大学院選びのチェックポイント
- 専門実践給付金対応 か(要確認)
- 通学形態(夜間/土日/オンライン)
- オフィスアワー と 論文指導体制
- 修了生のキャリア実績
- 入試の英語要件
- 奨学金制度(日本学生支援機構等)
30-40代の現実的な選択肢
現職維持しながら
- 通信制または夜間大学院
- 土日中心
- 修了まで2-3年
退職して集中
- 失業給付 + 給付金
- 1-2年で修了
- 修了後の転職前提
副業・独立を視野に
- 専門知識でコンサル/講師
- 大学院ネットワーク活用
この記事のデータの出典
- 文部科学省「国立大学法人等に関する参考資料」(令和7年度の授業料・入学料の標準額)
- 文部科学省「大学院関連参考資料集」(2025年12月8日時点)
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」、ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」
- 厚生労働省「令和7年10月から『教育訓練休暇給付金』が創設されます」

