ゲーム業界で働いていると、「次のタイトルはもっと大きな規模でやりたい」「いまの会社だと職種の幅が広がらない」と思う瞬間がありますよね。ただ、ゲーム会社の求人は職種の名前が細かく分かれていて、総合型の転職サイトで探すと、自分の経験がどの求人に当てはまるのかが分かりにくいんです。プランナーひとつとっても、レベルデザインなのか運営なのかで話はまったく変わってきます。
そんなときに候補に入ってくるのが エニカンPR(AnyKan) です。運営はAnyKan株式会社で、公式の案内ページでは「AnyKanはゲーム業界特化型の転職エージェントです」と紹介されています。この記事では、公式の案内ページと運営会社の会社概要ページの公開情報(情報確認日: 2026年9月26日)だけをもとに、対象・料金・面談の形・扱う職種・注意点を整理します。口コミや体験談は載せていません。公開情報で分かることと、相談してみないと分からないことを、一緒に分けていきましょう。
エニカン(AnyKan)の基本情報
- 運営会社:AnyKan株式会社(エニカン株式会社)。設立は2006年5月で、本社は東京都渋谷区千駄ヶ谷、大阪支社もあります。会社概要ページに「有料職業紹介事業者(許可番号:13-ユ-302877)」「労働者派遣事業者(許可番号:派13-302665)」と記載されています
- 対象:ゲーム業界での転職を考えている方。よくある質問では、ゲーム業界が未経験の方について「実務未経験の方にご紹介できる求人は大変限られており」と案内されています(くわしくは注意点で)
- 利用料:「ご登録から転職成功まで、完全無料です」(運営会社の案内)
- 面談の形:公式サイトのトップでは、流れが「情報の登録 → 電話面接 → お仕事ご紹介 → お仕事開始」の4ステップで示されています。東京都での就業を考えている方には「電話やメール、WEBでもご対応可能」とあります
- サービスの流れ(案内ページ):無料会員登録(プロフィール入力。手元の履歴書・職務経歴書からデータの取り込みも可能)→ ゲーム業界に詳しいコンサルタントによるヒアリング → 求人の提案と面接対策 → 就業開始
- 取得元ページと確認日:エニカンのゲーム業界向け案内ページ、エニカン公式サイトのトップ、AnyKan株式会社の会社概要ページ(いずれも2026年9月26日に確認)
それと、ひとつ先にお伝えしておきたいことがあります。AnyKan株式会社は人材紹介だけでなく、人材派遣やSES(業務委託)も手がけている会社です。案内ページにも、紹介する働き方として「正社員、契約社員、派遣社員、紹介予定派遣、業務委託」が並んでいます。正社員の転職だけを考えている方は、この点を最初に伝えておくと話が早いと思います。
特徴①:ゲームの職種ごとに求人の例と年収の幅が出ている
案内ページには「ご紹介できる求人の例」として、職種ごとの仕事内容と年収の幅が並んでいます。たとえばゲームディレクターは「500~1200万円」、ゲームプランナーは「400~700万円」、クライアントエンジニア(Unity・Unreal Engineなどを使う開発)は「500~1000万円」、サーバーサイドエンジニアは「400~750万円」、アートディレクターは「600~1000万円」といった形です。ほかに広報・宣伝スタッフ、3DCGデザイナー、エフェクトデザイナーも載っていました。求人の量については「3,000件を超える求人情報からあなたにあったお仕事をご紹介します」と案内されています。
ここ、じつはけっこう使える情報なんです。ゲーム業界の年収は、同じ「プランナー」でも会社と役割で大きく変わります。自分の職種の幅を先に知っておくと、面談で希望年収を伝えるときに根拠を持って話せますよね。ただ、これは「求人の例」なので、いま実際に出ている求人の条件とは限りません。自分の経験年数で届く範囲はどこか、面談で確かめてみてください。
特徴②:スキルシートから給与の交渉、就業後まで見てもらえる
サポートの中身として、案内ページには6つの項目が並んでいます。お仕事紹介、キャリア相談、スキルシート作成、企業分析・面接対策(リハーサルも含む)、給与・労働条件の交渉、就業後のサポートです。スキルシートについては「お伺いした職歴等から、転職成功に導くスキルシートを作成します」、就業後については「職場環境やお仕事の悩みのご相談や、企業への交渉など承ります」と書かれています。運営会社のサイトでは、面接の設定後にエージェントが「平均2.5時間をかけて丁寧にフォロー」とも案内されています。
読者にとって大きいのは、スキルシートの作成を手伝ってもらえるところだと思います。ゲーム業界の選考では、どのタイトルで、どの工程を、どのツールで担当したかが細かく見られます。関わったタイトル名を並べるだけだと伝わりにくいので、書き方から一緒に考えてもらえるのは助かりますよね。それと、よくある質問によると、ほかのエージェントと並行して使うことも「問題ありません」とされています。
特徴③:業界に特化して約20年の運営
案内ページには「2006年の設立から約20年、特化型として培ってきた業界知識・転職ノウハウが私たちの強みです」とあります。運営会社のサイトでは、ゲームに限らない会社全体の数字として、取引企業について「大手から成長企業まで1,500社以上と取引実績」、登録者について「10万人を超える登録者を保有」とも書かれています。どれも運営会社の案内です。
長く続いている特化型のよさは、会社ごとの選考の癖や、職種の呼び方の違いを知っている可能性が高いことです。ゲーム業界は会社によって「プランナー」の範囲がかなり違うので、求人票の言葉を自分の経験に翻訳してくれる相手がいると心強いと思います。まだ転職するか決めていない方でも、よくある質問では「キャリア相談や情報収集のみ希望の方もお気軽にご相談ください」と案内されています。
注意点①:ゲーム業界が未経験だと、紹介できる求人はかなり限られる
ここはいちばん正直にお伝えしたいところです。よくある質問では「実務未経験の方にご紹介できる求人は大変限られており、就業経験の内容や希望条件によっては、ご紹介ができない場合がございます」と案内されています。続けて「ゲーム業界以外で活躍された実績や高いスキルをお持ちの場合には、ご紹介可能な求人もございます」ともあります。
つまり、エニカンは基本的に経験者向けのサービスと考えておくのが自然です。これから業界を目指す学生の方や、まったくの未経験から入りたい方は、先にゲーム業界の就活ガイドやゲーム会社の就職難易度で、どんな入口があるのかを見ておくほうが近道だと思います。
注意点②:未経験から応募するならポートフォリオが前提
同じよくある質問の中で、未経験の方には「志望する職種に関するポートフォリオをご用意いただいた上でご登録ください」と書かれています。経験者の場合にどこまでポートフォリオが必要かは、公開情報では確認できませんでした。とはいえ、デザイナーやアーティスト系の職種で作品を見せずに選考を進めるのは難しいので、経験者でも手元に最新版を用意しておくのがおすすめです。
公式サイトの転職ガイドには、ポートフォリオの作り方を解説したページも用意されています。作品を並べるだけでなく、担当した範囲や使ったツール、制作の意図まで書けているかを、登録の前に一度見直しておきたいところです。エンジニア職の方は、エンジニア転職のポートフォリオも参考になると思います。
注意点③:紹介の中心は東京の求人
よくある質問で、地方に住んでいる方からの相談について「東京都を中心にお仕事を紹介しております。東京都でご就業をお考えの方でしたら、電話やメール、WEBでもご対応可能です」と案内されています。運営会社には大阪支社がありますが、関西など東京以外の求人がどれくらいあるかは、公開情報では確認できませんでした。
ゲーム会社は東京に集まりやすいと言われる業界なので、この偏りはエニカンだけの話ではないと思います。ただ、地方で働き続けたい方や、フルリモートの求人を中心に探したい方は、登録の前に「自分の希望する勤務地の求人があるか」を確かめておくと安心です。東京への引っ越しも考えているなら、その前提を最初の電話で伝えておくと、紹介の幅が変わってきます。
向いている人・向いていない人
向いている人:ゲーム業界での実務経験があり、次の会社を探しているプランナー・エンジニア・デザイナーの方/東京で働くことを考えている方/スキルシートや面接で、自分の担当範囲の伝え方を一緒に詰めたい方。
向いていない人:ゲーム業界がまったく未経験で、ポートフォリオもまだない方/東京以外で働きたい方/ゲームに限らずIT業界全体の求人を広く見たい方(この場合は同じくIT・ゲーム業界を扱う転職ボックスもあわせて見てみてください)。
電話面談で確認したい質問リスト
最初の電話面談は、求人を紹介してもらう前の「すり合わせ」の場です。次の質問を持っておくと、自分に合うかどうかを早めに判断できます。
- 自分の職種と経験年数で、いま紹介できる求人はどれくらいあるか
- 紹介される求人の雇用形態(正社員・契約社員・派遣・業務委託)の内訳はどうなっているか
- 東京以外の勤務地や、リモート中心の求人はあるか
- ポートフォリオは経験者でも必要か。見せ方で直したほうがいい点はあるか
- 案内ページにある年収の幅のうち、自分の経験だとどのあたりが現実的か
- 給与や労働条件の交渉は、どのタイミングでお願いできるか
この中で特に聞いておきたいのは2つ目です。派遣やSESも扱う会社なので、自分が正社員を希望していることをはっきり伝えて、紹介の中身をそろえておくと安心です。
申し込む前のチェックリスト
- 担当したタイトル・工程・使ったツールを一覧にしておく。スキルシートの材料になります
- ポートフォリオを最新にしておく(デザイナー・アーティスト系は特に)
- ゲーム業界の会社ごとの違いをゲーム会社の就職難易度で見ておく
- IT業界まで広げて考えるならエンジニア転職サイトの比較もあわせて読む
- ほかの業界特化型と比べたいときは業界特化の転職エージェント一覧で並べて見る
まとめ:判断の目安
公開情報から分かるのは、エニカンがゲーム業界に特化して約20年続く経験者向けのエージェントで、東京の求人を中心に、スキルシートの作成から給与の交渉、就業後の相談まで無料で手伝う形だということです。一方で、業界未経験の方への紹介はかなり限られ、東京以外の求人の量は公開されていません。
なので判断の順番としては、まず電話面談で「自分の経験でいま紹介できる求人の数」と「雇用形態の内訳」を確かめる、そのうえでスキルシートやポートフォリオの手直しに進むのがおすすめです。経験者で東京での就業を考えているなら、ゲームの職種を細かく分かったうえで話せる相手として、一度相談してみる価値はあると思います。公式の案内は公式サイトで確認できます。
掲載内容は公開情報を整理したものです。サービス内容・対象条件は変わることがあるので、最新の条件は必ず公式サイトでご確認ください。

