フリーランスのエージェントを比べ始めると、どこも「高単価」「手厚いサポート」と書いてあって、違いが見えにくいですよね。そこで気になってくるのが、案件の契約金額のうち自分にいくら入るのか、という点だと思います。PE-BANKPR(ピーイーバンク)は、この取り分の割合を「分配率」として公開していて、しかも「共同受注」という少し珍しい契約の形をとっているサービスです。
この記事では、PE-BANKの公式サイトと運営会社のページに書かれている内容だけを整理します(情報確認日: 2026年9月26日)。口コミや体験談は載せていません。共同受注とは何なのか、分配率はどう変わるのか、どんな人に合いそうか。数字を一緒に確かめていきましょう。
PE-BANKの基本情報(公開情報で分かる範囲)
- 運営会社:株式会社PE-BANK(本社:東京都港区高輪)。会社概要では創業1989年5月1日、資本金3億1,295万円とされ、労働者派遣事業(派13-303319)と有料職業紹介事業(13-ユ-303453)の許可番号が載っています。旧称は「首都圏コンピュータ技術者」と案内されています
- 対象:ITフリーランス(SE・Web系)。よくある質問では「実務経験を2年以上」を目安にしていると書かれています
- 利用料:エントリーから面談、案件紹介までは無料で、「契約が確定までは一切費用を支払う必要ありません」と案内されています。報酬は後で書く分配率に沿って分けられます
- 面談:エントリー後に会社説明と個別面談があり、オンライン面談にも対応していると書かれています
- 拠点:東京本社のほか、横浜・札幌・仙台・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・高松・広島・福岡・北九州の全国13拠点
- サービスの流れ:WEBエントリー → 会社説明・個別面談 → 案件紹介 → 取引先企業との打ち合わせ・合意 → プロ契約の手続き・仕事開始 → 参画後のフォロー
- 取得元:公式サイトのトップ、「契約と手数料について」、「エントリー後の流れ」、「よくあるご質問」、「全国の拠点」、よくある質問「共同受注とはなんですか?」、運営会社の会社概要(いずれも2026年9月26日に確認)
特徴①:共同受注の仕組みと、公開されている分配率
「共同受注」という契約の形
PE-BANKの公式サイトでは、共同受注を「当社とIT個人事業主である共同受注プロエンジニアが、共同で仕事を請負い、当社が代表となって取引先との契約を締結するもの」と説明しています。フリーランスはまずPE-BANKと「プロ契約」を結び、プロエンジニアとして、PE-BANKと一緒に仕事を請け負う形になります。
これ、ちょっと面白いところなんです。よくあるエージェントは「企業とエージェントが契約し、エージェントがフリーランスに仕事を出す」という流れで、フリーランスからは企業との契約金額が見えないことがあります。PE-BANKは契約ページで、取引先との契約内容を契約金額も含めて事前にすべて確認してもらう、と書いています。「ガラス張り」という表現まで使っているので、自分の仕事にいくらの値段が付いているのかを知りたい人には分かりやすい仕組みです。
分配率を公開していて、受け取り回数で上がる
契約ページには、共同受注の報酬をどう分けるかが表で載っています。フリーランスへの分配率は、報酬を受け取った回数によって次のように変わります。
| 報酬の受取回数 | エンジニアの分配率 | PE-BANKの分配率 |
|---|---|---|
| 1〜12回 | 85% | 15% |
| 13〜24回 | 86% | 14% |
| 25〜36回 | 87% | 13% |
| 37〜48回 | 88% | 12% |
| 49〜60回 | 89% | 11% |
| 61回〜 | 90% | 10% |
支払額は「契約金額 × エンジニアへの分配率 ×(1+現行消費税率)」で計算すると書かれていて、契約金額70万円・1回目の受け取りなら654,500円という例が載っています。トップページでも「マージン率(手数料)は報酬額の10〜15%」と案内されています。
読者にとって何が変わるかというと、他社と比べるときの物差しが手に入ることです。マージン率を公開していないエージェントと比べるとき、「この案件単価ならPE-BANKだと手取りはいくら」と自分で計算できます。それと、長く使うほど分配率が上がるので、独立後も同じ窓口で案件を続けたい人ほど得をしやすい設計です。逆に、1〜2案件だけ試してすぐ直接契約に移る予定の人には、この上がり方の恩恵は小さいかもしれません。
特徴②:全国13拠点と、独立後の事務まわりの支援
拠点は北海道から九州まで13か所あり、各拠点で個別相談会や案件紹介をしていると案内されています。首都圏以外で独立を考えている人にとって、住んでいる地域に窓口があるのは心強いところだと思います。
支援の内容としては、営業代行、確定申告サポート、福利厚生、教育サポートが挙げられています。トップページでは「契約・請求・確定申告・保険手続きなどの対応も可能」とあり、共同受注なので取引先との契約や請求の事務もPE-BANKが代表して行う形です。案件が終わる1か月前から次の案件の営業を始める、という説明もあります。数字の面では、登録者数累計50,000人(2025年時点)、登録エンジニアの平均年収935万円、最大契約金額月385万円(実績値)、利用者満足度91%、Web・SE系を中心に毎月1,000件以上の案件紹介、と運営会社は案内しています。ただ、平均年収と満足度の集計方法や時期は、確認したページには書かれていませんでした。
注意点①:常駐案件が中心で、週2〜3日やリモートは少なめ
よくある質問ではっきり書かれているのがここです。在宅案件については「当社が紹介する案件は、取引先企業様への常駐案件が中心」、週2・3日の案件については「週5日の案件に比べて、非常に少ない状況」とされています。子育てなどで時間に制約がある人も活躍しているとしつつ、制約のない人より案件数は少ないとも書いています。
フルリモートや週3日で独立したい人にとっては、ここが一番大きな分かれ目になりそうです。案件検索にはリモート可の案件も載っているので、ゼロではありません。ただ、「リモートが前提」の人は、面談で自分の条件に合う件数を先に聞いておくのがおすすめです。
注意点②:面談は必須。経験2年の目安と分配率以外の費用も確認を
面談は「会う」前提の案内もある
エントリー後の流れのページでは「オンライン面談の対応も可能」と書かれています。一方、よくある質問の「エントリーしただけなのに、面談に行かないとダメですか?」には、システムの説明と希望条件のヒアリングのために「直接お会いする機会を設けさせていただいております」と答えています。面談を省いて案件だけ受け取る使い方は想定されていない、と読むのが自然です。
とはいえ、面談で共同受注や分配率の説明をきちんと聞けるのは悪いことではありません。忙しい人は、エントリーのときにオンライン面談を希望すると伝えておくとスムーズだと思います。
経験2年は目安。分配率の外にかかるお金も確認を
よくある質問では「実務経験を2年以上としておりますが、こちらは、一つの目安であり、実務経験2年未満の方も多数活躍されています」と書かれています。2年未満でも相談はできそうですが、紹介される案件の幅は経験で変わると考えておいたほうがよさそうです。
それと、分配率の表はとても分かりやすい一方で、福利厚生や確定申告サポートなどを使う場合に別の費用がかかるかどうかは、今回確認したページでは読み取れませんでした。「分配率以外に引かれるお金はあるか」は面談で聞いておきたいところです。
向いている人・向いていない人
向いている人:案件の契約金額と自分の取り分をはっきり見たい人/週5日の常駐で安定して稼ぎたい人/首都圏以外で独立を考えていて、地元に相談窓口がほしい人/同じ窓口で長く案件を続けたい人。
向いていない人:フルリモートや週2〜3日の働き方が前提の人/面談なしで案件だけ受け取りたい人/実務経験がまだ浅く、まず副業で試したい人(その場合はエンジニアの副業ガイドから始めるのがおすすめです)。
面談前に確認したい質問リスト
- 私のスキルと経験年数で、紹介できそうな案件の単価帯と件数はどのくらいですか
- 分配率の「受取回数」は、案件が変わっても通算されますか。途中で間が空いた場合はどうなりますか
- 分配率のほかに、福利厚生やサポートの利用で別にかかる費用はありますか
- 私の住んでいる地域で、リモートや週3〜4日の案件はどのくらいありますか
- 取引先との契約内容(契約金額・期間・精算条件)は、いつの時点で見せてもらえますか
- 報酬の支払い日(支払いサイト)はいつですか
2つ目の「通算されるか」は、長く使うほど得をする仕組みの前提なので、ぜひ聞いておいてください。答え次第で、何年使うつもりかの計算が変わります。
申し込む前のチェックリスト
- 独立までの準備をフリーランスエンジニア独立ロードマップで確認しておく
- いまの年収と、分配率85%で計算した手取りを並べて、税金や保険料まで含めて比べる(フリーランスの確定申告ガイドが参考になります)
- 報酬保障や福利厚生を重視するならMidworks、機電系も含めて探すならエンベストと条件を比べておく
- リモートや週の日数など、ゆずれない条件を1〜2個に絞っておく
- 面談に向けて、担当した工程・技術・チーム規模を書き出しておく
まとめ:判断の目安
公開情報で分かるPE-BANKの強みは、共同受注という形で取引先との契約内容を見せてくれることと、分配率(85%から最大90%)を表で公開していることです。1989年創業で全国13拠点があり、首都圏以外の人にも窓口があります。一方で、案件は常駐が中心で、週2〜3日や在宅の案件は少ないと公式にも書かれています。
なので順番としては、まず自分の働き方が「週5日・常駐でも大丈夫か」を決める、そのうえで面談で単価帯と分配率を使った手取りを計算してもらうのがおすすめです。常駐で問題ない人にとっては、取り分が数字で見えるのはかなり比べやすい条件だと思います。公式の案内は公式サイトで確認できます。
掲載内容は公開情報を整理したものです。サービス内容・対象条件は変わることがあるので、最新の条件は必ず公式サイトでご確認ください。

