結論:【誤り】
話題の主張:大学を卒業してしまうと、新卒として就活する仕組みが無い
厚生労働省は事業主向けの指針で、既卒者が「卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること」を求めています。仕組みはあるので、「仕組みが無い」は一次情報と食い違います。ただし義務ではないため、全部の会社で応募できるわけではありません。
話題の主張
大学を卒業してしまうと、新卒として就活する仕組みが無い
結論:【誤り】
厚生労働省は事業主向けの指針で、既卒者が「卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること」を求めています。仕組みはあるので、「仕組みが無い」は一次情報と食い違います。ただし義務ではないため、全部の会社で応募できるわけではありません。
確かめた一次情報
- 「青少年雇用機会確保指針」が改正されました(厚生労働省 鳥取労働局・取得日 2026-11-02)…平成22年11月の改正で「学校等の卒業後少なくとも3年間は応募できるようにすべき」が盛り込まれた経緯
- 卒業後3年以内の既卒者は、「新卒枠」での応募受付を!(リーフレット LL021102開若01)(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク・取得日 2026-11-02)…「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づく指針の内容と、労働経済動向調査(2020年8月)のグラフ
検証の手順
- 主張を「卒業した人は、新卒の採用枠に応募できる仕組みが無い」と読み替えました。
- 厚生労働省のリーフレットで、いまの指針の文言を確認しました。指針は「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づくもので、「既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること」「できる限り上限年齢を設けないように努めること」と書かれています。
- 書き方が「努めること」なので、義務ではなく、企業に努力を求めるものだと確認しました。
- 実際の受付状況を、同じリーフレットに載っている労働経済動向調査(2020年8月)で見ました。前年度に新卒枠で正社員を募集した7,539事業所のうち、既卒者が応募できた事業所は32%+38%=70%、応募できなかった事業所は29%です(応募できた事業所は5,254で、5,254÷7,539≒69.7%とも合います)。
どこが合っていて、どこがずれているか
「卒業したら終わり」と感じてしまう気持ち、すごくわかります。在学中に決めないといけない空気がありますよね。
ただ、国の決まりを読むと話はちょっと違います。厚生労働省は、若者の採用について企業向けの指針を出していて、その中で「卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるように」と求めています。もとは平成22年の改正で入った考え方で、いまは「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づく指針に引き継がれています。仕組みそのものは、もうあるんです。
一方で、ここは正直に書いておきたいところです。指針の書き方は「努めること」で、守らなくても罰があるわけではありません。リーフレットに載っている2020年8月の調査でも、新卒枠で募集した事業所のうち約3割は既卒者の応募を受け付けていませんでした。「どこでも新卒扱いで受けられる」とまでは言えないんですね。
なので、主張の中心の「仕組みが無い」は誤りですが、「会社によっては卒業後だと応募できない」は事実です。卒業後に就活するなら、会社ごとの応募資格を一つずつ確かめるのがいちばん確実です。就活の年間の流れは28卒の就活スケジュールに、通年採用など採用の形の変化は通年採用で就活はどう変わるかの解説にまとめています。
今日からできること
- 気になる会社の募集要項で、応募資格の欄に「既卒可」「卒業後3年以内」などの書き方があるかを見ておく
- 応募資格が分からないときは、会社の採用窓口に問い合わせるか、近くのハローワークに相談する(厚生労働省のリーフレットは事業主向けですが、指針の中身が分かります)
- 卒業後に受けられる会社を探すときは、就職偏差値ランキングから会社ごとのページを開き、公式採用ページの募集状況を確かめる
この記事は「検証解説」の型で書いています。話題の主張を公式・公的な一次情報だけで確かめ、結論を「本当/一部本当/誤り/確認できない」の4つから選んでいます。一次情報の取得日はすべて2026年11月2日です。

