結論:【一部本当】
話題の主張:国民年金(満額)より、生活保護のほうが多くもらえる
65〜69歳・単身なら、地域区分(級地)によっては生活保護の生活費の基準だけで国民年金の満額(月70,608円)を上回ります。ただ生活保護は年金の「代わり」にもらうものではなく、年金を先に使い、最低生活費に足りない分だけが支給される仕組みです。
話題の主張
国民年金(満額)より、生活保護のほうが多くもらえる
結論:【一部本当】
65〜69歳・単身なら、地域区分(級地)によっては生活保護の生活費の基準だけで国民年金の満額(月70,608円)を上回ります。ただ生活保護は年金の「代わり」にもらうものではなく、年金を先に使い、最低生活費に足りない分だけが支給される仕組みです。
確かめた一次情報
- 令和8年4月分からの年金額等について(日本年金機構・取得日 2026-11-02)…老齢基礎年金(満額・昭和31年4月2日以後生まれ)月70,608円
- 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和8年10月)(厚生労働省・取得日 2026-11-02)…第1類・第2類の基準額、特例加算(1人あたり月2,500円)、住宅扶助(東京都・単身の例)
- 生活保護制度(厚生労働省・取得日 2026-11-02)…最低生活費と収入を比べ、差額を保護費として支給。年金などは収入として扱う
検証の手順
- 比べる相手を「国民年金の満額(月70,608円・令和8年度)」と「65〜69歳・単身の生活保護の基準額」にそろえました。
- 生活扶助(食費・光熱費などの生活費)を、厚生労働省の算出方法の表で計算しました。式は 第1類(年齢別)×逓減率(1人なら1.0)+第2類(世帯人数別)+特例加算2,500円 です。
- 1級地-1(いちばん高い区分): 46,460円+27,790円+2,500円=76,750円。3級地-2(いちばん低い区分): 38,560円+27,790円+2,500円=68,850円。表にある経過的加算(小さな上乗せ)はこの計算に入れていません。
- 住宅扶助は「実際に支払っている家賃」を基準額の範囲で支給する仕組みで、東京都の単身の例では1級地で月53,700円が上限です。
- 受け取り方を確認しました。厚生労働省の説明では、最低生活費から収入を引いた差額が保護費です。たとえば1級地-1で家賃4万円の人が年金を満額受け取っていると、76,750円+40,000円−70,608円=46,142円が差額になります(医療・介護などは別に計算)。
どこが合っていて、どこがずれているか
「ずっと保険料を払ってきたのに、もらえる額が生活保護より少ないの?」というモヤモヤ、すごく自然な感覚だと思います。数字を並べてみると、半分は当たっているんです。
合っているのは金額の比較の部分です。65〜69歳・単身なら、生活費の基準(生活扶助)は1級地-1で月76,750円になり、国民年金の満額70,608円を上回ります。家賃の分(住宅扶助)も別に加わります。ただ、地域区分がいちばん低い3級地-2では68,850円で、満額の年金のほうが少し多くなります。「どこでも生活保護のほうが多い」わけではないんですね。
ずれているのは「どちらかを選んでもらう」という前提です。生活保護は、年金・働いた収入・貯金などを先に使い、それでも国の決めた最低生活費に届かない分だけを補う仕組みです。年金を受け取っている人でも条件を満たせば、年金と足りない分の保護費を合わせて最低生活費になります。年金をもらう人だけが損をする仕組みにはなっていません。
また、生活保護には貯金や使っていない土地などを生活費に充てる、働ける人は働く、といった前提があります。年金は貯金があっても受け取れるので、性格がまったく違う制度なんです。
老後のお金を考えるときは、いまの手取りと貯め方から見るのが近道です。手取りの考え方は手取り16万円の検証に、年収の伸ばし方は転職で年収は上がるのかの検証にまとめています。
今日からできること
- 自分の年金の見込み額は、日本年金機構の「ねんきんネット」や毎年届く「ねんきん定期便」で確かめる(令和8年度の年金額の案内)
- 生活が苦しくて制度を使いたいときは、住んでいる地域の福祉事務所に相談する(世帯・地域で基準額が変わるため)
この記事は「検証解説」の型で書いています。話題の主張を公式・公的な一次情報だけで確かめ、結論を「本当/一部本当/誤り/確認できない」の4つから選んでいます。一次情報の取得日はすべて2026年11月2日です。

