障害者雇用で転職しようと調べ始めると、けっこう早い段階で「atGPPR(アットジーピー)」という名前に出会うと思います。ただ、調べていくと「atGP転職」「atGPエージェント」「atGPジョブトレ」と似た名前が次々に出てきて、どれが何なのか分からなくなってしまうんですよね。
atGPは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する障害者向けの就職・転職サービスのブランドです。ひとつのブランドの中に、求人サイト・転職エージェント・就労移行支援といった性質の違うサービスが並んでいます。この記事では、公式サイトと運営会社の会社概要を読んで(情報確認日: 2026年9月26日)、それぞれの違いと、求人サイトの「atGP転職」を中心にした使い分けを整理しました。口コミや体験談は載せていません。まずは全体の地図から、一緒に見ていきましょう。
atGP転職の基本情報(公開情報で分かる範囲)
- 運営会社:株式会社ゼネラルパートナーズ(東京都港区西新橋1-16-5 REVZO新橋2階)。設立2003年4月9日、資本金2,500万円、有料職業紹介事業の許可番号は13-ユ-030101
- サービスの種類:atGP転職は「障害者専門の求人情報検索・求人スカウトサービス」。自分で求人を探して直接応募する機能と、スカウトを受け取る機能の2つがあります
- 対象:障害のある方。求人サイト側の手帳の条件は公開情報では確認できませんでした。転職エージェント(atGPエージェント)は、身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳のいずれかの交付を受けていることが条件です
- 利用料:会員登録は無料。atGPエージェントも「無料でご利用いただけます」と案内されています
- 面談形式(エージェントの場合):オンライン・電話・対面から選べます。所要時間は約1〜2時間、平日のみで最終受付は20時スタート。対面の拠点は本社(東京・新橋)、関西支社(大阪・梅田)、名古屋支社の3か所
- サービスの流れ(エージェントの場合):会員登録 → 相談の案内(5営業日が目安)→ 転職相談・求人紹介 → 応募・面接対策 → 内定・入社 → 入社後フォロー
- 取得元:atGP公式サイトのトップ・ご利用ガイド・個人向けサービス一覧・atGPエージェントのページ・atGP転職のよくある質問・企業向けページ、ゼネラルパートナーズの会社概要(確認日 2026年9月26日)
特徴①:ひとつのブランドに、性質の違う入口がいくつもある
atGPのいちばんの特徴は、ここだと思います。公式サイトの個人向けサービス一覧とご利用ガイドを読むと、主なサービスは次のように分かれています。
| サービス名 | 何をしてくれるか(公式の説明) | 合いそうな状況 |
|---|---|---|
| atGP転職 | 障害者専門の求人検索とスカウト。自分で検索して直接応募 | 自分のペースで求人を見たい |
| atGPエージェント | キャリアプランナーが転職相談・面接対策・入社後までサポート | 一人で進めるのが不安 |
| atGP就活エージェント | 障害のある新卒学生向けの就職支援 | 学生で就活中 |
| atGPハイクラス | 年収500万円以上を目指す障害者専門の転職支援 | 経験を活かして条件を上げたい |
| atGPジョブトレ | 障害別専門支援の就労移行支援 | 働く前に訓練を積みたい |
| atGPジョブトレIT・WEB | IT・Web制作スキルの習得に向けた就労移行支援 | ITの仕事に向けて訓練したい |
このほか、障害者アスリート向けの「atGPアスリート」や、情報メディアの「atGPしごとLABO」もあります。
読者にとって大事なのは、同じatGPでも「転職サービス」と「就労移行支援」はまったく別の仕組みだということです。求人サイトとエージェントは、いま転職活動をしたい人のためのもの。就労移行支援(ジョブトレ)は障害福祉サービスなので、使うには自治体の手続きが要ります。名前が似ているぶん、「登録したつもりが、思っていたのと違うサービスだった」ということが起きやすいんです。自分がいま「探す段階」なのか「学ぶ段階」なのかを先に決めてから、入口を選ぶのがおすすめです。
特徴②:求人に「雇用実績」と「配慮事項」が書き込まれている
atGP転職のよくある質問やご利用ガイドでは、求人情報はすべてatGP独自のもので、企業から障害のある方の「雇用実績」や「配慮事項」を細かく聞き取って求人に盛り込んでいる、と説明されています。そのうえで、雇用実績や配慮事項から求人を検索できるそうです。
障害者雇用の求人を見ていると、仕事内容や給与は書いてあっても、「どんな配慮をしてもらえるのか」がよく分からないことが多いですよね。通院のための休み、在宅勤務、業務量の調整。そこが見えないまま応募するのは、やっぱり不安だと思います。配慮事項から探せるのは、その不安を応募の前に少し減らせるという意味で、求人サイトとしてはかなり実用的なところです。
スカウト機能もあります。スカウトメールは「スカウト」と「プラチナスカウト」の2種類で、プラチナスカウトは書類選考免除・面談確約のスカウトと案内されています。ただ、スカウトはすべての人に届くわけではない、とも明記されています。職務経歴やスキルの登録が薄いと届きにくいはずなので、登録するときにプロフィールをしっかり書いておきたいところです。
数字も少し見ておきましょう。企業向けのページでは、求人サイトの登録者について「累計18万人以上」(2023年12月時点)と書かれています。登録者の障害種別の内訳は、精神障害が約75%、身体障害が約20%、知的障害が5%(2026年3月時点)です。いずれも運営会社の案内です。
注意点①:エージェントは手帳が条件で、紹介できないこともある
atGPエージェントのページには、身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳(愛の手帳/みどりの手帳)の「いずれかの交付を受けていることが条件」とはっきり書かれています。手帳がまだない方は、エージェントの求人紹介は使えないと考えておくほうが安心です。
それと、同じページに「取り扱い求人の状況によっては、転職相談や求人紹介などサービスのご提供が難しい場合がございます」という注記があります。これはatGPに限らず、エージェント型のサービスではよくあることです。紹介できる求人は、そのとき預かっている求人の中からになるので、希望の職種や地域によっては紹介が少なくなります。エージェントが合わなかったとしても、求人サイトのatGP転職で自分から探すことはできます。入口が複数あるブランドなので、ひとつがだめでも次の手を打ちやすい。ここはatGPの使いやすいところだと思います。
障害種別での違いについても触れておきます。エージェントの条件は3種類の手帳のどれかなので、障害種別そのもので対象が分かれているわけではありません。一方、就労移行支援のジョブトレは「障害別専門支援」をうたっていて、ご利用ガイドでは障害別のコース制と案内されています。
注意点②:求人の地域の分布は公開されていない
地方に住んでいる方にとって気になるのは、「自分の地域の求人がどれくらいあるのか」だと思います。ただ、地域ごとの求人の数は、今回確認した公開情報では分かりませんでした。エージェントの対面拠点は東京・大阪・名古屋の3か所で、オンラインと電話での相談も選べます。就労移行支援のジョブトレは、会社概要によると秋葉原・大手町・お茶の水・横浜・名古屋・梅田、IT・Web向けは秋葉原・渋谷・浜松町・船橋・大宮・心斎橋に拠点があります。
拠点が大都市に寄っているので、求人も都市部が中心になっている可能性はあります。ただ、これは推測で、公式に書かれているわけではありません。確かめる方法は簡単で、atGP転職に登録する前に、求人検索で自分の住んでいる地域と希望の職種を入れてみることです。件数がどのくらい出てくるかで、このサービスを主軸にするか、ほかと併用するかを決められます。
向いている人・向いていない人
向いている人:障害者手帳を持っていて、配慮の内容を確かめてから応募したい方/自分で探すのとエージェントに頼むのを、状況に合わせて切り替えたい方/東京・大阪・名古屋のまわりで仕事を探している方。
向いていない人:手帳がまだなく、すぐにエージェントの紹介を受けたい方/いまは働いておらず、就職の前にITの訓練を積みたい方。訓練から始めたい方は、AIやデータ分析に絞った就労移行支援のNeuro Diveも比べてみてください。
登録・面談の前に確認したい質問リスト
atGPはサービスが多いぶん、最初に何を使うかで進み方が変わります。登録や面談の前に、次のことを確かめておくのがおすすめです。
- 自分の状況なら、atGP転職・atGPエージェント・atGPハイクラスのどれから使うのがよいか
- 自分の住んでいる地域と希望の職種で、いま紹介できる求人はどのくらいあるか
- 求人に書かれている「配慮事項」は、入社後にどうやって確かめられるか
- 手帳を申請している途中の場合、どこまでサービスを使えるか
- 在宅勤務や時短勤務の求人は、どのくらいの割合であるか
- プラチナスカウトが届きやすくなるように、プロフィールに何を書いておくとよいか
- 入社後のフォローは、いつまで・どんな形で受けられるか
この中で見落としやすいのは3つ目です。求人に書いてある配慮が、実際の職場でどう運用されているか。ここは面接の場より、エージェントを通して事前に聞くほうが聞きやすいことも多いです。
申し込む前のチェックリスト
- 自分がいま「探す段階」か「学ぶ段階」かを決め、求人サイト・エージェント・就労移行支援のどれを使うか選ぶ
- atGP転職の求人検索で、自分の地域と職種の件数を登録前に見ておく
- 職務経歴書を整えておく(書き方は職務経歴書の書き方が参考になります)
- エージェントの上手な使い方を転職エージェントの使い方で確かめておく
- ほかの障害者向けサービスとも並べるなら、障害者の就職・転職サービス比較で違いを見ておく
学生の方は、新卒向けのatGP就活エージェントの記事を先に読むほうが近道です。
まとめ:判断の目安
公開情報から分かるのは、atGPがゼネラルパートナーズの運営する障害者向けの就職・転職ブランドで、その中に求人サイト(atGP転職)、エージェント、就労移行支援などの別々のサービスが入っていることです。求人に雇用実績や配慮事項が書き込まれている点は、はっきりした強みです。一方で、エージェントは手帳が条件で、地域ごとの求人数は公開されていません。
判断の順番としては、まずatGP転職で自分の地域と職種の求人を検索してみる、そのうえで一人で進めるのが不安ならエージェントの相談を申し込むのがおすすめです。この順番なら、求人の量を自分の目で確かめてから、エージェントに何を頼むかを決められます。紹介が少なかったときに備えて、もう1つ別のサービスにも登録しておくと安心だと思います。障害者向けの転職エージェントなら、dodaチャレンジが比べる相手になります。
公式サイトはこちらです:公式サイト
掲載内容は公開情報を整理したものです。サービス内容・対象条件は変わることがあるので、最新の条件は必ず公式サイトでご確認ください。

