結論:【一部本当】
話題の主張:遅刻1分で30分ぶんの給料を引くのは違法
遅れた1分ぶんを引くのは問題ありませんが、それを超えて引く29分ぶんは「減給の制裁」として扱われます。就業規則に定めがあり、労働基準法第91条の上限の内側なら違法とまでは言えないので、「必ず違法」は言い過ぎです。
話題の主張
遅刻1分で30分ぶんの給料を引くのは違法
結論:【一部本当】
遅れた1分ぶんを引くのは問題ありませんが、それを超えて引く29分ぶんは「減給の制裁」として扱われます。就業規則に定めがあり、労働基準法第91条の上限の内側なら違法とまでは言えないので、「必ず違法」は言い過ぎです。
確かめた一次情報
- 労働基準法(e-Gov法令検索・取得日 2026-11-02)…第24条(賃金は全額を支払う)、第91条(減給の制裁は1回が平均賃金の1日分の半額まで、総額は1賃金支払期の賃金総額の10分の1まで)
- モデル就業規則 第11章 表彰及び制裁(厚生労働省・取得日 2026-11-02)…「遅刻や早退の時間に対する賃金額を超える減給は制裁とみなされ」91条の適用を受ける
- 制裁!(厚生労働省 山梨労働局・取得日 2026-11-02)…差し引く額が遅刻や欠勤の分を「たとえ1円でも」超えたら、その分は減給の制裁になると考えられる
- 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚生労働省・平成29年1月20日に定めたもの・取得日 2026-11-02)
検証の手順
- 主張を「1分の遅刻に対して30分ぶんの賃金を差し引くことは、法律に反する」と読み替えました。
- 厚生労働省のモデル就業規則の解説で、遅刻の分の扱いを確認しました。遅刻した時間は賃金が発生しないので、その分を引くのは第91条の制限を受けません。
- 同じ解説で、遅刻の時間を超えて引く分は「制裁とみなされ」第91条が適用されると確認しました。1分の遅刻で30分引くなら、超えた29分ぶんが減給の制裁です。
- 労働基準法の条文を確認しました。第91条は、就業規則で減給の制裁を定めるときの上限を決めています。第24条は、賃金は全額を払うのが原則で、法令や労使協定などがある場合だけ一部を控除できると定めています。
- 金額の例: 月給24万円・月の所定労働160時間なら1時間1,500円。超えた29分ぶんは 1,500円×29÷60=725円。第91条の上限は1回が「平均賃金の1日分の半額」まで、1か月の合計は「賃金総額の10分の1」(この例なら2万4,000円)までです。
どこが合っていて、どこがずれているか
9時1分の打刻で30分ぶん引かれていたら、「え、1分なのに?」ってなりますよね。その違和感、法律の考え方ともちゃんとつながっています。
まず、遅れた1分ぶんを給料から引くこと自体は問題ありません。働いていない時間には賃金が発生しないからです。問題になるのは、残りの29分ぶんです。厚生労働省の解説では、遅刻した時間を超えて引くお金は「減給の制裁」、つまりペナルティとして扱われます。山梨労働局のページには「たとえ1円でも」超えた分は制裁になると書かれています。
ここからが「一部本当」の理由です。減給の制裁は、就業規則に定めておけば、第91条の上限の内側で行うことが認められています。なので「30分単位で引く」が就業規則の制裁として決められていて、上限を超えていなければ、違法とまでは言い切れないんです。一方で、就業規則に何も定めがないまま実際より多く引いているなら、賃金を全額払う原則(第24条)とぶつかると考えられます。
つまり、ポイントは「引かれた事実」よりも「就業規則にどう書いてあるか」です。働いた時間の記録を正しく残すことは、厚生労働省のガイドラインでも会社に求められています。働き方の待遇の差についてはリモートと出社の待遇差の検証、入社後に「思っていたのと違う」となる理由は新卒の転職検討46%の検証でも見ています。
今日からできること
- 就業規則の「遅刻・早退」と「制裁(減給)」の項目を読み、30分単位で引く決まりがどこに書いてあるかを確かめる
- 給与明細の遅刻控除の金額と、実際に遅れた時間の賃金を比べてみる
- 納得できないときは、勤務先の人事に確認するか、近くの労働基準監督署・労働局の総合労働相談コーナーに相談する
この記事は「検証解説」の型で書いています。話題の主張を公式・公的な一次情報だけで確かめ、結論を「本当/一部本当/誤り/確認できない」の4つから選んでいます。一次情報の取得日はすべて2026年11月2日です。

